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「ミリオンダラー・ベイビー」「オペレッタ狸御殿」 [映画いろいろ]

「ミリオンダラー・ベイビー」
監督・音楽:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン

ミリオンダラー・ベイビー

ミリオンダラー・ベイビー

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2005/10/28
  • メディア: DVD

心の奥底にドスンとパンチを喰らった。
苦い、苦すぎる。

イーストウッドの作品って、「ミスティック・リバー」や「許されざる者」でもそうなんだけど、人生の「苦さ」「辛さ」を主題にしてる感はあるんだけど、この作品については「苦い」どころではない。

心に虚空を抱える名トレーナーのフランキーと、30歳を過ぎ貧困と孤独に耐えながら女子ボクサーを目指すマギー。2人の心の葛藤と栄光と挫折をを描く本作品で、本年度アカデミー賞「作品賞」「監督賞」「主演女優賞」「助演男優賞」と主要部門を独占した話題作がようやくの公開である。

予告編のイメージではボクシング映画と思ってた。「ボクシング映画」=「ロッキー」=「ハッピーエンド」みたいな法則が一般的なので、まあ、イーストウッド作品だし単純な「ハッピーエンド」ではないなとは思っていたが、とんでもない、ハッピーどころか、ほとんど「絶望的」な結末を迎える衝撃的な作品になっていた!

↓以下ネタばれまくり!!

前半~中盤にかけて、簡素に言うと「女子ボクサーのサクセスストーリー」という至ってシンプルな展開で、貧しく、孤独な女子ボクサーが名トレーナーとの出会い、過酷なトレーニングを積み連戦連勝で勝ち進み、世界タイトル戦に挑戦する。

で、この世界タイトル戦で彼女は敗れるのである。私的にも「多分、負けて挫折し、また別の人生を生きていくんだろうなぁ」と勝手に思ってたんだけど、全然違った。私の思いは甘かった。
彼女は相手の反則により、頚椎を痛めてしまい、全身麻痺という重病になってしまうのである。

全身麻痺で呼吸もできなくなり人工呼吸器を付け、寝たきりに生活が始まる。これだけでも相当過酷なのに、さらに床ずれにより左足が壊死してしまい左足を切断に追い込まれる。
もう、この時点であまりの過酷さに私も愕然としてまうのだが、さらにイーストウッドは踏み込む。

マギーは自身の人生を振り返り、色々な辛さや悲しさはあったにしろ、プロボクサーとして生きたことに「満足」したことをフランキーに告げ、病に冒されたままこのまま生きていくことを拒絶すべく「殺して欲しい」と頼むのである。

一方のフランキーも一人娘とは長年の断絶状態で、心に虚空を抱えたまま生きてきて、マギーを自分の血を分けた娘のごとく感じていたが、当然のことながらマギーを死なせることはできなかった。

このあたりの2人の心の葛藤がホントに重苦しく、見るものの心にグイグイとボディブローのように食い込み、息苦しさを感じずにはいられない。

そんな中でマギーは自身の舌を噛み切り自殺未遂をしてしまう。そして、ついにマギーの状態を見かねたフランキーは、自らの手でマギーの呼吸器を外し、彼女に永遠の死を与えてしまう。
そして、フランキー自身も人知れずどこかへと消えてしまうのだった。。。

まさか、「尊厳死」が扱われてるとは思わなかったので、この展開にはホントにびっくりした。
しかし、ここで扱われた「尊厳死」は、それ自体のぜひを問いただすのではない。

先月公開された「海を飛ぶ夢」では、20数年間に渡り寝たきりの生活をしていた男が自らの意思で「死」を掴もうとする「尊厳死」についての問題を真っ向から描いたのであるが、この「ミリオンダラー・ベイビー」ではそれはある1つの事態であり、「みなさんだったら尊厳死を認めますか?認めませんか?」的な側面は感じさせない。

ここで描かれている「尊厳死」は、最終的な形としては「尊厳死」だけれども、本質的な意味での主題は一人の男性と女性の「魂の触れ合い」「魂の結合」が、「どれだけ尊く、崇高なものであるか」といったことを、言いたかったんじゃないかなぁっと、私は感じました。

話がちょっと長くなってしまったが、とにかくこの作品は今年の必見映画の1本であることは間違いないので、是非皆さんにも見ていただき2人の「魂の触れ合い」に考えを思い巡らして欲しいです。

クサイセルフだが、「目から涙が流れるんではなく、心(魂)から涙が流れる」、そんな映画です。

オススメ度:★★★★☆

「オペレッタ狸御殿」
監督:鈴木清順
出演:チャン・ツィイー、オダギリジョー、薬師丸ひろ子、由紀さおり、山本太郎

チャン・ツィイーがこの作品に出演したことを後悔し、自身の出演履歴から削除すると発表しました。
↑というのは、もちろん嘘ですが、多分本心ではそう思ってるんじゃないかなぁ~。

もうね、それ位酷い作品。
目も当てられないとはこのことだね。

私は清順の大ファンで「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」など、傑出した作品を作った大監督なんだけど、前作「ピストルオペラ」といい、今作といいもうね、限界でしょう。

これ以上駄作を作らせては監督の名に傷がつくので、関係者の方は監督をいじらないで欲しい。

午前中に「ミリオンダラー・ベイビー」を見て、午後一で「オペレッタ狸御殿」を見たので、この落差に辟易というか、同じ映画でもこんなに違うものかと、感慨深いものすら感じた。

オススメ度:☆☆☆☆☆


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「バタフライ・エフェクト」本年度No.1候補の登場よ!(おすぎ風) [映画いろいろ]

(おすぎ風)
ピカチュウですっ!

見て、見て、見てぇぇぇぇぇ~~~!
早くも本年度No.1候補、必見中の必見映画の登場よ。
タイトルは、「バタフライ・エフェクト」

過去と現在を行き来できるという、不思議な力を身につけた主人公が、愛する女性と自身の運命を掛けて時間旅行を繰り広げるこの作品。
作品の設定としては、非常にスタンダードなSFなんだけど、過去と現在で繰り広げられる物語は、サスペンスあり、ラブストーリーあり、あらゆるジャンルがミックスされた、「傑作」なの!

主人公エヴァンが、少年期に部分的に記憶を無くすと言うミステリー的要素で前半部は展開され、エヴァンが青年に成長してからの後半部で、エヴァンが過去に戻り自身の失われた記憶をたどり、謎を解明する度に現在が「良い方へも」「悪い方へも」変わっていくのね。

この前半部(エヴァンの少年期・記憶の喪失)と後半部(エヴァンの青年期・記憶の補完)の2部構成でストーリーは展開され、もうね、ホント目が離せないのよぉ!

そして、何よりも素晴らしいのがラストの展開。
オチとしては2度オチなの。
↓以下ネタばれにつき、映画を見る予定の方は絶対に見ないようにしてぇ

何度も過去に戻ってやり直しても、恋人ケイリーとの幸せは訪づれず、回りの友人たちにも不幸が付きまとい、挙句の果てには自身までもが不幸のどん底に落ちる現実に絶望したエヴァン。

そんな彼が最後にとった行動は、恋人ケイリーと初めてあった7歳頃に戻り、幼いケイリーに「大嫌いだよ(だったかな?)」と一言告げ、ケイリーは大泣きし、ケイリーに嫌われることだったの!

大好きだった恋人に、「大嫌い」と言い、一生の別れを告げるなんて、もうこのシーンで涙が溢れてきてしまったの、ピカチュウは。

で、上記の「大嫌い」によって、現在の世界では誰もが幸せに生活できる世界に変わった訳。
でも、エヴァンの心の中にはケイリーへの思いが詰まってるんだけど、エヴァンは全てを精算するべく過去の思い出を全て焼き尽くす。

そして、ラストのラスト。
弁護士に成長したエヴァンが、マンハッタンかなんかの街中を歩いていると、一人の女性とすれ違う。そう、ケイリーである。一瞬、視線が合いそうになり、お互いに振り返るんだけど、結局、2人の視線はすれ違ってしまい、2人はそれぞれの道を進んでいくのよぉ~~。

愛しているがために、永遠の別れを選んだエヴァンの姿が、もうホントに切ないのぉ~。
こんなに切ないSFサスペンスは見たこと無いって感じよ!

最近、映画を見てないないというあなた、今週何の映画を見ようかなというあなた、そして映画に興味がないあなた、

絶対に必見よぉ!!!

ピーコも見なさい!!!!!!

(中途半端なおすぎ風でした。。。)

オススメ度:★★★★☆



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Shall we Dance?、コンスタンティン、阿修羅城の瞳、新作映画メッタ斬り! [映画いろいろ]

「Shall we Dance? 」
監督:ピーター・チェルソム
原作:周防正行
出演:リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ

日本でも大ヒットを記録した、同名作品のハリウッド・リメイク版。
主人公をギア様が演じ、共演にはお色気ムンムンのジェニファー・ロペスが扮して、いい意味でも悪い意味でも、ほぼ忠実に日本版を再現しており、安心して楽しめる娯楽作品となっている。

ハリウッド版の最大の違いは、主人公と妻の「愛の再確認」が主題になってるところ。
日本版ではちょっと影の薄かった妻だが、ハリウッド版では「デッドマン・ウォーキング」のアカデミー賞女優スーザン・サランドンが抜群の演技で、ギア様との熟年愛を見事に体現していた。

また、日本版で一番の笑いのポイントになった竹中直人演じる青木役を、スタンリー・トゥッチが絶妙な芝居(カツラネタは超ウケた。カツラは日米問わず共通な笑いのツボなのね)で魅せてくれたり、ギア様とジェニロペのダンスシーンなどは、日本版よりも良かった。

ただね、残念なのは日本版を忠実にしすぎてる感があり、「ハリウッドらしさ」みたいなものがほとんどなかったので、もう少しオリジナルな部分があった方が良かったんじゃないかと思う。

ジェニロペは超普通~だったんだけど、どの衣装でも「乳首」が目立ち、そればかりが気になった。
日本人は「乳首を隠す」のに、外人は「乳首を見せる」のは何故なのだろうか?
誰か「世界の乳首情勢」を検証してる人とかっていないのかなぁ?ホント気になる。

オススメ度:★★★☆☆

「コンスタンティン」
監督:フランシス・ローレンス
出演:キアヌ・リーヴス、レイチェル・ワイズ、シア・ラブーフ、ジャイモン・フンスー

なんだろうか、この映画。ストーリーがね、ホントしょうもない程くだらない。
悪魔を見ることができるという特殊能力を持つ主人公が、余命数ヶ月という状況下で悪魔たちと壮絶なバトルを繰り広げる。。。みたいな。
作品のテーマは「タバコは体に良くない!禁煙しよう!!」という、悪魔とは全くもって関係のない禁煙キャンペーン推進映画だった。見た方には分かるはず!

キアヌ+悪魔といえば思い出すのが、「ディアボロス」。
悪魔と対決する主人公を演じお尻丸出し(ケツ毛あり)のセックスシーンにクレームをつけたキアヌ。
そんな彼が何で、また「悪魔モノ」に出ようと思ったのか、謎、謎、謎。。。

ただね、キアヌって今年41歳なんだけど、とてもその年には見えないほど若々しい。
彼って、「カッコイイ」という形容詞より、「美しい」というのが似合うのだが、ホント年を重ねて「円熟した美しさ」が展開されていたので、ファンとの方はそれだけで満足なんじゃないかな。
特に今回は「死」もテーマになってるので、「退廃的美しさ」が堪能できるのもポイントだね。

オススメ度:★★☆☆☆(キアヌの退廃的美しさを堪能するプロモ映画としては★×4)

「阿修羅城の瞳」
監督:滝田洋二郎
出演:市川染五郎、宮沢りえ、大倉孝二、樋口可南子、皆川猿時 、二反田雅澄

寝て、ちょっと起きて、また寝て、起きて、寝て、寝て、寝て、zzz。。。
もうね、中途半端につまんなくて寝ちゃった。

舞台「阿修羅城の瞳」の大ヒットを受けて今回映画化したわけなんだけど、やっぱね、滝田洋二郎監督がダメだね。「陰陽師」の映画化については奇跡的に成功したので、今回も二匹目のドジョウといきたかったようだが、ホントにダメだった。

キャストも、市川染五郎、宮沢りえ、樋口可南子などなど、超メジャーどころの役者さんが勢ぞろいなのに、キャストの演技、滝田監督の演出、相変わらず貧相な特撮(CG)、これらが全然噛み合ってなくて、「画面が浮いてる」感じがした。映画としての「しっくり感」がまるでない。

唯一の見所は、市川染五郎。彼って現代モノのTVドラマに出ると浮きまくるんだけど、やっぱりその道で鍛えてるだけあって、「時代物」での立ち振る舞いは素晴らしかった。

何かね、色んな意味でちょっと残念な作品。

オススメ度:★★☆☆☆


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N・ケイジの増毛、クドカン面白いか?など、最近の映画メッタ斬り [映画いろいろ]

最近観た映画で、記事にしてないものをまとめて斬り捨ててみます。

■「ナショナル・トレジャー」
監督:ジョン・タートルトーブ
出演:ニコラス・ケイジ、ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ヴォイト、ダイアン・クルーガー

「ザ・ロック」「コン・エアー」のニコラス・ケイジ&ジェリー・ブラッカイマーコンビが送る、アドベンチャームービー。伝説の秘宝をめぐり、ニコラ演じる学者が謎の組織と壮絶なバトルを繰り広げる。

【感想】
いつも通り思考0(ゼロ)で観れる、中身すっからかん映画。
何故、ここまで中身がない作品を作りつづけられるのかが、ある意味で不思議であるが。。。。

どーでもいいのだが、秘宝を探るミステリーよりも、ニコラスの髪にまるわるミステリーの方が、気になったしょうがなかった。ニコラ、絶対に増毛してる。以前と比べると毛の量が明らかに増えてる。


↑写真では分からない。前頭部ハゲはそのままだが、脳天&後頭部を中心に3割は増えてる

一時期、もうね超ヤバイ状態で、「ニコラ、俳優生命の危機!」と思われたのだが。。。
最初画面に出たときは、ハリウッドの特殊メイクかと思ったが、違うようである。
「悩み無用、リーブ21」でも愛用しているのだろうか???

オススメ度:★★☆☆☆

■「エターナル・サンシャイン」
監督:ミシェル・ゴンドリー
脚本:チャーリー・カウフマン
音楽 ジョン・ブライオン
出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、イライジャ・ウッド


↑チラシのデザインは、かなりGood!なんだがね。

【感想】
本年度のアカデミー脚本賞受賞、「マルコヴィッチの穴」の脚本家、チャーリー・カウフマンの新作ということで超期待して観に行ったが、かなりつまんなかった。つーか、退屈すぎで意図的に寝た。

余談だが、私は1日に2~3本の映画をまとめて観るので、中途半端につまらない映画の時には「意図的に寝る」という能力を、数年前より身に付けました。非常に便利です。

ごく普通の男とちょっとエキセントリックな女のラブを、時間軸を逆にしながら描くのだが、この手法自体は「メメント」とかでもやってるし、基本的なストーリーがあまり魅力的でない。

とは言え、オスカーにもノミネートされた、ケイトの演技と映像は非常に良かった。

オススメ度:★★☆☆☆

■「真夜中の弥次さん喜多さん」
監督・脚本:宮藤官九郎
原作:しりあがり寿
出演:長瀬智也、中村七之助、小池栄子、阿部サダヲ、柄本佑


↑しりあがり寿の原作は面白いです。オススメです。

【感想】
今をときめく人気脚本家・宮藤官九郎の初監督作品。原作はしりあがり寿さんのマンガ。
私的には、クドカンって「GO」以外の作品については、「良い」「面白い」「素晴らしい」と感じたことが一切ないのだが、この作品もご多分に漏れず、超「イタダケナイ」仕上がりだった。

何がって、ストーリーの意味が分からないし、この妙な「ノリ」についていけない。
「木更津キャッツアイ」「池袋ウェスト・ゲート・パーク」など、全ての作品に共通するのだが、彼の脚本って彼独特の「ノリ」があって、この「ノリ」を理解できないと、全く作品に入っていけない。

この「ノリ」って、なんていうのかなぁ、例えば「サークルのノリ」というかね、「知ってる人は分かる」といった、「内輪的ノリ」なんだよね。だから、彼の熱狂的なファンってこの「内輪的ノリ」を理解し楽しみ、「内輪」だからこそ、どの作品であっても常にはまるんだろうね。

おじさんには、ついていけない。。。

この作品も意図的に寝てみました。zzz…

オススメ度:★☆☆☆☆


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「隣人13号」 原作マンガを超え、いい意味で期待を裏切る秀作! [映画いろいろ]

監督:井上靖雄
原作:井上三太
出演:中村獅童、小栗旬、新井浩文、吉村由美、石井智也


■主人公・十三(小栗くん)       ■十三の別人格・13号(獅童さん)

いや~、思ってた以上に良くできてたわ。かなり満足♪

ストーリーは、小学生の頃にイジメを受けた主人公・村崎十三(小栗旬)が、いじめっ子の赤井トール(新井浩文)に復習する話。とは言え、実際に復讐をするのは十三ではない。彼の中に住み着いた凶暴なもう一人の人格13号(中村獅童)が十三の変わりに次々に殺人を繰り返すのだった。。。

近年、「あすみ」「海猿」「デビルマン」「キューティーハニー」などなど、マンガの実写映画化というのが増えてきているが、実際の出来としてはあまりよろしくない。つーか、ヒドイ場合の方が多い。
筆頭はある意味ですでに、「伝説化」している「デビルマン」ね。
※明日、DVD発売じゃなかったかな?

そんな状況下での公開だったし、監督が今作がデビュー作となる映画界では無名の井上監督とか、原作もかなりマニアックな作品ということもあり、期待値はかなり低めだった。

原作のテイスト感というか、作者の井上三太が「ヒップホップ系」とか「(池)ブクロ系」な感じなので、基本的なノリがすごく軽い。加えて、井上監督もMTVとかでミュージックビデオとかを撮ってたので、まあ「映像重視」「内容薄い系」的なイメージがあったなので、「木更津キャッツアイ」とか「キューティーハニー」レベルだろうと予想してたんだけどね。

ところがどっこい、蓋を明けてみると、予想以上に素晴らしい仕上がりで、逆に良い意味で期待を裏切られた気がする。

単に「映像主義」に走ることなく、主人公の二重人格という「精神的な病」を意識した重厚感ある映像とか、それを視覚的に見せる美術や演出がホントによく表現されていて、ビックリした。
特に主人公・十三の別の人格である13号が、深層心理下が生まれるシーンとか、2人が入れ替わるシーンの象徴的な表現が完璧だったね。

それ以外でも13号の暴力シーンとか、十三の内面的なシーンなんかも原作の軽いタッチを意識することなく、映画独自のリアルな表現に洗練されていて、終始、画面全体から緊張感が漂ってた。

また、役者さんも1人の人物を中村獅童&小栗旬が2人で演じるという、初めは「無理ちゃうか?」と訝しく思ってたけど、「静と動」の好対照なキャラクターを的確に演じていて、ホント良かった~。

私的には、マンガの実写映画化作品としては、ここ1~2年では一番の出来だと思うし、今年に入って観た日本映画はまだ数本だが、多分、私的には今年のマイ・ベスト10に入るなきっと。
それくらい、ホント良く出来てるし、良い意味で期待を裏切られた秀作!

原作はまた別のテイストで井上ワールド炸裂なのでオススメ!

隣人13号 1 (1)

隣人13号 1 (1)

  • 作者: 井上 三太
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: コミック

オススメ度:★★★★☆


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「アビエイター」レオ様全裸での熱演も主人公の「狂気」に深みなし [映画いろいろ]

監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ブランシェット、ケイト・ベッキンセイル、ジュード・ロウ

本年度のアカデミー賞で、編集賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞とかの技術部門を独占してるだけあって、ハリウッドの娯楽大作としては、十分に楽しめる仕上がりである。

特に主人公ハワード・ヒューズが飛行家ということもあり、空中での飛行シーンや飛行機事故シーンの撮影、1940年代の雰囲気を醸した室内の美術については、かなり魅力的であった。
しかし、肝心のストーリーというか、映画としての中身がかなり薄い、つーか軽い。

日本では全く知られていないが、アメリカでは有名人らしいハワード・ヒューズ。父親が一代で築いた財産を相続し、大富豪となったハワード・ヒューズの半生を描く伝記映画なのだが、「で、この人って何だったの?つーかこの映画は結局何が言いたかったの?」というのが正直な感想である。

富豪ゆえの「傲慢」や「虚栄心」、その反動による「孤独感」だったり、映画ではヒューズの内面的な部分、すなわち「人間性」を描こうとしており、レオ様も渾身の演技で望んでいることは理解できた。

映画の後半で、飛行機事故を起こし体が傷だらけになり、さらに追い討ちをかけるように金にまつわるスキャンダルに巻き込まれ、満身創痍のヒューズが自室に立てこもり半狂乱状態で振舞うシーンがある。レオ様も久々の全裸を惜しげもなく披露して(つーか、全裸の必要あったのかな?ただのファンサービスにしか感じられないが。。。)、ヒューズの「狂気」を熱演してた。

「タクシードライバー」や「レイジング・ブル」「グッド・フェローズ」など、スコセッシ監督の映画に共通するのは、主人公の「狂気」というものがあるんじゃないかと思う。「タクシードライバー」の主人公トラヴィスが、大統領暗殺計画を実行するに至るまでの「狂気」の推移、ホント初めてこの映画を見たときの衝撃は今でも忘れられない。

多分、今回の作品でもヒューズの「狂気」を描こうとしてんだろうけど、失敗してるんだよね。
「タクシードライバー」「レイジング・ブル」の主演は、役者として一番油がのっていた時期のロバート・デ・ニーロだから、ちょっとレオ様と比べちゃうのは酷だけど、やっぱレオ様の「狂気」の芝居は、「薄い」というか、「軽い」んだよね。昔を比べると、確かに上手くなってるのは分かるんだが。。。

これは何もレオ様の芝居だけの問題ではなく、スコセッシ監督の演出にも問題あるんだろうね。
もう彼ぐらいの年齢(63歳)になると、「狂気」を描くのって無理なんじゃないかな。
だって、もう老齢に近い黄昏なお年頃だもんなぁ。

まあ、映画の楽しみ方は人それぞれなので、「ハリウッド大作」として鑑賞する分には十分楽しめるけど、「人間ドラマ」としてはちょっと厳しいなぁ。。。

オススメ度:★★☆☆☆


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「鉄人28号」オモチャっぽい鉄人に評価が分かれそう [映画いろいろ]

監督:冨樫森
原作:横山光輝
出演:池松壮亮、蒼井優、薬師丸ひろ子、香川照之、川原亜矢子

なんか全く期待していなかったせいか、意外と楽しめた。
横山先生のマンガはもちろん、なつかしのロボットアニメとして過去に何度もリメイクされるなど、この手のジャンルとしては不動の人気を誇るのが鉄人28号。
※客層もお年寄り単体、孫連れのお年寄りが超多かった。あと、ロボットオタクっぽい奴とかね。

今作では、映画アニメ化ではなく、あえて実写化に踏み切ったということで、その時点で既に賛否両論の嵐だったが、仕上がった映画自体の評価は圧倒的に渋い。

そもそも、今回の鉄人28号が悪と戦う正義の味方ロボットには全然見えない。
何故か?動きが鈍すぎてブリキのオモチャ状態。それこそ、背中にゼンマイがしかけてあるんじゃないかと疑いたくなる程のレベル。オモチャ博士の北原さんがあやるってるのではと思っちゃう。

あと、主人公の正太郎のキャラが原作から遥かに逸脱してて、とんでもない弱虫君。
アニメの正太郎は、もっと覇気があったし、正義感あふれる好青年だったはずだが、何故か実写版では常に心配顔で、すぐに泣きそうな顔になり、とても悪に立ち向かう少年には見えない。

他にも難点は多々あるのだが、私的には先にも述べたとおり、結構楽しんだ。

まずね、CGが結構良く出来てる。「ローレライ」とか「デビルマン」(あ、これと比べるのはまずいか。これはもう殿堂入りした作品だしね)のダメダメCG映画と比べると、その差は歴然だと思う。

鉄人自体は、ある意味で意図的に「オモチャぽく」作ってる節もあり、「ちょっとレトロ調」+「ベタな鉄っぽさ」が結構絶妙なニュアンスで表現されてて、見てて飽きなかった。動きはホント鈍いが。。。
あと、東京タワーを破壊するシーンなんかも、それなりな迫力があったね。


↑泣きそうな顔が絶妙~にウマイ!!

また、私的に一番気に入ったのは、「ラストサムライ」にも出てた正太郎役の池松壮亮君。
正太郎君のキャラ設定には大いに不満があるが、池松君の正太郎としての表現(演技)は圧倒的にうまいかった。父親を無くした少年の「寂しさ」とか、鉄人を操縦することへの「戸惑い」「勇気」「決意」とか、人間の様々な心情の表現、特に顔の表情がちょっと子役とは思えないね。
これからの成長が楽しみな少年である。

最後に一言だけ。ひろ子・薬師丸、ホント微妙すぎ。正太郎のお母さん役なんだけど、明らかに池松君よりも演技がヘタ。原作アニメの映画かなので、わざと臭い芝居をしているのかと思ったけど、そうではないらしい。純粋にヘタなのである。今回のひろ子は友情出演らしい。とんだ友情である。
※ひろ子のヘタウマ芝居について、もっと知りたい方は下記を参照ください。
http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-02-06

まあ、往年のファンにはかなり納得いかない作品だと思うが、原作とは別物の「オモチャロボットアニメ」としてはそれなりに楽しめると思う。

オススメ度:★★★


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「ブリジョン2」B100×W100×H100、ドラえもん実写版はレニーに決定!? [映画いろいろ]

「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」
監督:ビーバン・キドロン
出演:レニー・ゼルウィガー、ヒュー・グラント、コリン・ファース、ジム・ブロードベント


↑見よ、この逞しい二の腕と巨乳っぷりを!

前作で弁護士の恋人マークをゲットし、幸せな生活を送っていたブリジットだったが、マークに謎の美人秘書が現れ、さらに価値観の違いから仲たがいしてしまい大喧嘩をしてしまう。そんな中、宿敵?ダニエル(ヒュー・グラント)と共に取材でタイで向かうことになるのだが、そこでさらなる事態に巻き込まれる。果たしてブリジットの恋の行方は。。。

もうね、とにかくレニーの体型がスゴイ!B100×W100×H100(想像だけどね)じゃないかと思われるくらいのドラム缶体型。ドラえもん(B129.3×W129.3×H129.3)も真っ青な状態である。
何かね、体型だけ見ると森三中の村上みたいだったもん。


↑村上の体型はホント、すごいよね。ある意味で神懸り的だもんなぁ。

余談だが、森三中の公認ホームページが結構かわいくて好き。特にオープニングのFLASHが。
http://www.morisanchu.com/

レニー、いくら役作りとは言え、あの体型になるのはホント大変だったんじゃないかなぁ。
特に女性の場合は、太るのは簡単だろうが、痩せるのはハンパじゃないらしいしね。
女優・レニー、天晴れである!

今回の映画、ブリジットは相変わらずの天然ボケキャラで爆笑を巻き起こしてた。
あれだよね、これもあのドラえもん実写化体型だから、笑えるというか、ありなんだよね。
なんか、ブリジットのドン臭さが微笑ましく感じちゃう。
これがニコール・キッドマンみたいな感じだと、凄く嫌味っぽく感じちゃうもんね。

とは言え、他に見所はというと、う~ん、残念ながらイマイチないんだよね~。
作品としては全体的に前作の焼き増し感というか、ワンパターン的なノリなのでちょっと途中から飽きがきちゃった。ヒュー・グラントなんか前作つながりの友情出演ってレベルで、かなり微妙だったし、つーか別にいてもいなくても余り変わらないって感じだったもん。ちょっと残念ですな。

まあ、お気軽に楽しむデートムービーには最適ではあるので、カップルにはオススメです。

オススメ度:★★☆☆☆


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「あずみ2」上戸彩、コスプレ女優化への懸念 [映画いろいろ]

「あずみ2 Death or Love」
監督:金子修介
原作:小山ゆう
出演:上戸彩、石垣佑磨、栗山千明、小栗旬、高島礼子、平幹二郎

2年前に映画化された「あずみ」の続編。
前作で生き残ったあずみとながらが、戦国時代を終焉させるために真田幸村の暗殺を企て、幸村の妾・空如や上野甲賀者たちと再び壮絶な戦いを繰り広げる。。。

今作は金子監督ということもあって、素晴らしい出来ではないにせよ、前作よりは無難に仕上がり安心してみてられた。今回はサブタイトルにもある通り、「Death or Love=死と愛」がテーマになっているので、登場人物の内面に焦点を当てている所が良かったんじゃないかな。
とはいえ、やっぱり役者人が若手中心だし、金子監督なのでイマイチ深みがないんだけどね。。。

そして、今作の最大の見どころは、何と言っても高島礼子様!
あずみを惨殺すべく立ち上がる悪役・空如を超熱演、「地獄へ落ちろ~っ!」「死ね~、あずみぃ~!」と極妻を彷彿とさせる迫真の演技だった。さらに、太ももを露にした大胆衣装を身にまとい、時代劇ファンのジジィたちへのお色気サービスも欠かさない。
「水戸黄門」の由美かおるの後釜を狙ってのお色気戦略なのかもしれない。

にしても、高島礼子と真田役の平幹二郎が「Death or Love」するんだけど、超濃いのよねこの2人。つーか、超浮いてた。彼らだけ「時代劇芝居」してた。しかも「鬼平犯科帳風」の本気モードで。。。

ところで、主演の上戸彩についての気になることがある。
彩ちゃんの最近の出演作が何故か漫画(アニメ)の実写化が多いこと。

・「あずみ」:原作は漫画。刺客少女役→パンチラギリギリの着物風ルック。黒のマント付き。
・「エースをねらえ!」:原作は漫画。テニス少女役→超ミニのテニスウェア。超ミニの制服付き。
・「アタックNo.1」(4月の新ドラマ):原作は漫画。バレー少女役→ビキニラインギリギリのブルマー                      &ユニフォーム。超ミニの制服付き。(多分。予想。)

何か漫画の実写化作品が続いてる。しかもどれもこれも、パンチラギリギリの衣装ばかり。
これって、一種のコスプレではないだろうか?
勿論、本人が望んでの展開ではないだろうから、事務所側の意向(戦略)としての路線なんだろう。

まあ、彩ちゃんのファンは男性が多いから解からなくはないが、そんなんでいいのだろうか?
彼女にはそういう漫画(アニメ)系、コスプレ系の「アイドル女優」としては売って欲しくないなぁ。
演技はまだ未熟だが、「金八」での性同一性障害者の役等を見るに役者としての素質は十分ある。

今後は少女系の役ではなく、大人の女性役や普通の会社員役、ちょっと悪女役など、よりステップアップできる役を演じ、成長してもらいたいと切に願う。

最後に一言。ちょい役でTBSの安住アナが出てた。「あずみ」=「安住」のダジャレのつもりなのか、TBSの宣伝のつもりなのか、真意は不明だがこういうのホント止めてほしい。安住さんも望んではいないだろうし、やはり真剣に映画作りをしてる人や役者さんに対して失礼だと思う。

オススメ度:★★★☆☆


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「ローレライ」 妻夫木くん超カッコいい~!私物のお宝グッズ披露中 [映画いろいろ]

「ローレライ」
監督:樋口真嗣
原作:福井晴敏
出演:役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇、石黒賢、佐藤隆太

妻夫木くん、ホントいい俳優&カッコいい男になったね~。

私が初めて妻夫木くんを知ったのは、確かコカコーラのCMだったかなぁ。
デビュー当時は、連ドラの端役とか地味な役が続いたが、「ウォーターボーイズ」の大ブレイクで一気に花開き、「ブラックジャックによろしく」や主演男優賞総ナメにした「さよなら、クロ」「ジョゼと虎と魚たち」などなど、今や日本映画界には欠かせない「映画俳優」として成長をしてきたもんね。

私はNTTドコモのCMでちょっとファンになり、「ウォーターボーイズ」で超ファンになったのだが、それにはちょっとした理由があるのね。
それは、生・妻夫木に会ってしまったから!!

「ウォーターボーイズ」の公開中に出演キャストが映画館にやってくる学園祭企画つーのがあって、
渋谷の映画でこの学園際企画があった日に、たまたま僕は別の作品を観るべく、この映画館のロビーで待ってると、そこへ妻夫木くん本人が現れたのさ!

既に「ウォーターボーイズ」を観て超ファンになっていた私はもう完全なトランス状態。
ガン見はせずともチラ見という、逆にちょっと怪しい視線で妻夫木くんを追ってしまった。てへへ。。。

しかも、この夜の学園祭企画は超すごくて、あの玉木宏くんや金子貴俊、平山綾ちゃんという、今をときめく若手俳優たちが勢ぞろい。玉木くんとは、トイレで連れションまでしちゃった。(偶然だがね)

そんな信じられない状態の会場で、キャストの直筆サイン入りパンフレットが販売されてて、もうね、周りの「えーっ、ずーずーしー」的な視線も無視して3冊も買っちゃいました。


↑これがその現物写真。

もうね、このパンフ、私のお宝中のお宝です~。
表には玉木宏くんと平山綾ちゃんのサインもあります。
どうだ、いいだろ~。(超自慢)

まあ、そんな自慢話はさておき、妻夫木くんの今年一発目の作品である「ローレライ」。
この作品については、大人に成長した凛々しい妻夫木くんを楽しめればそれでいいでしょう。
だって、それ以外に見所がないんだもん。。。

日本映画の限界を痛感させられるちゃちいCGとか、膨大な原作を無理に2時間にした破天荒なストーリー展開とか、柳葉敏郎のいつもながらの大根芝居とか、人間離れしたピエール瀧の大顔(でもね、彼は中々良い芝居してたよ)とか、全体的にアニメっぽいとか、パウラの衣装がエヴァの綾波レイしちゃってるとか、気になるところは枚挙にほかないので、もうこの際そんなことは忘れましょう。
(フジテレビ+東宝の作品としては、まあ頑張った方に入るかなぁ。。。)

さらに嬉しい妻夫木くん情報として、彼の次回作が決まったこと。
あの三島由紀夫先生の遺作、「豊饒の海」(全四部作)の第一作である「春の雪」の主演に決定!
共演がこれまた私が大ファンの竹内結子さんとのこと。

もうね、三島作品の大ファンである私にとっては、倍倍ゲーム的な楽しみです。
とにかく、今後もガンバレ~、妻夫木く~ん!!!

オススメ度:★★☆☆☆(妻夫木くんは★5つだが、映画自体はこんな感じです)


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