SSブログ
映画いろいろ ブログトップ
前の10件 | -

アカデミー賞直発表!保守派に阻まれた番狂わせの受賞結果に辟易 [映画いろいろ]

という訳で、本年度のアカデミー賞が発表され、作品賞はななんと、なんと!大穴「クラッシュ」がさらっていくと言う、超大番狂わせな結果となりましたね。

にしても、アカデミー賞の会員って、ホントに保守的だよなぁ。
同性愛ってそんなに受け入れがたいことなのかね。

確かに「カウボーイ」=「古きよき時代のアメリカ男の象徴」な訳だから、その象徴をキリスト教で大罪とされる同性愛で汚されたってことなでしょうから、受け入れられないのは解らなくもないが・・・

「クラッシュ」については、確かに脚本は良く出来ているけど、そもそも、その脚本が余りにも作りこみ過ぎ感が強いし、そこで描かれているこの作品のテーマである「人種差別」の表現自体が、かなり平坦で、表層的なんだよね。

作品の出来としては、贔屓目無しに見ても「ブロークバック・マウンテン」の方が上だし、「ミュンヘン」なんかも「クラッシュ」よりは、全然良く出来ていたと思うんだけどね。

う~ん、何とも残念な作品賞の受賞結果である・・・

■各部門の受賞結果はこちら↓

本日、待ちに待ったアカデミー賞の発表!
と言うことで、私なりに直前予想をしてみま~す。

◇作品賞
「ブロークバック・マウンテン」 ●これ以外には考えられん!
「カポーティ」
「クラッシュ」 ■受賞:誰が何と言おうと、納得いかない!!
「グッドナイト&グッドラック」
「ミュンヘン」

◇監督賞
アン・リー(「ブロークバック・マウンテン」) ●これ以外に考えられん!!■受賞
ベネット・ミラー(「カポーティ」)
ポール・ハギス(「クラッシュ」)
ジョージ・クルーニー(「グッドナイト&グッドラック」)
スティーブン・スピルバーグ(「ミュンヘン」)

◇主演男優賞
フィリップ・シーモア・ホフマン「カポーティ」) ■受賞:まあ、順当ですな。
テレンス・ハワード(「Hustle & Flow」)
ヒース・レジャー(「ブロークバック・マウンテン」) ●これに獲って欲しい!多分、フィリップでしょうね
ホアキン・フェニックス(「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」)
デビッド・ストラザーン(「グッドナイト&グッドラック」)

◇主演女優賞
ジュディ・デンチ(「Mrs. Henderson Presents」)
フェリシティ・ハフマン(「Transamerica」)
キーラ・ナイトレイ(「プライドと偏見」)
シャーリーズ・セロン(「スタンドアップ」)
リース・ウィザースプーン(「ウォーク・ザ・ライン」) ●ホント、上手くなったなぁ~■受賞

◇助演男優賞
ジョージ・クルーニー(「シリアナ」) ■受賞:この作品のジョージ別に普通だった。功労的意味かな
マット・ディロン(「クラッシュ」)
ポール・ジアマッティ(「シンデレラマン」)
ジェイク・ギレンホール(「ブロークバック・マウンテン」) ●これも個人的思い入れ。ジョージ本命。
ウィリアム・ハート(「ヒストリー・オブ・バイオレンス」)

◇助演女優賞
エイミー・アダムス(「Junebug」)
キャサリン・キーナー(「カポーティ」)
フランシス・マクドーマンド(「スタンドアップ」)
レイチェル・ワイズ(「ナイロビの蜂」) ■受賞
ミシェル・ウィリアムズ(「ブロークバック・マウンテン」) ●これも個人的思い入れ。

◇オリジナル脚本賞
「クラッシュ」 ●かなり作り込み過ぎで個人的には「・・・」って感じだったけどね。■受賞
「グッドナイト&グッドラック」
「マッチ・ポイント」
「イカとクジラ(仮題)」
「シリアナ」

◇脚色賞
「ブロークバック・マウンテン」 ●もう、絶対に決まり!■受賞
「カポーティ」
「ナイロビの蜂」
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」
「ミュンヘン」

◇外国語映画賞
「Don't Tell」(イタリア)
「戦場のアリア」(フランス) ●見て無いけど、内容聞いたら非常に興味持ったので。
「Paradise Now」(パレスチナ)
「白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々」(ドイツ)
「Tsotsi」(南アフリカ) ■受賞

◇美術賞
「グッドナイト&グッドラック」
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」
「キング・コング」
「SAYURI」 ●内容微妙だっけど、美術は良かったもん。
「プライドと偏見」

◇撮影賞
「バットマン・ビギンズ」
「ブロークバック・マウンテン」 ●ホントに美しい映像でした。。。
「グッドナイト&グッドラック」
「SAYURI」 ■受賞
「ニュー・ワールド」

◇衣裳デザイン賞
「チャーリーとチョコレート工場」
「SAYURI」 ●キレイな衣装でした。■受賞
「Mrs. Henderson Presents」
「プライドと偏見」
「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」

◇編集賞
「シンデレラマン」
「ナイロビの蜂」
「クラッシュ」 ■受賞
「ミュンヘン」 ●本編もかなり良かったんだけどね~
「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」

◇メイクアップ賞
「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」 ●作品的にはどーでもいい映画だった■受賞
「シンデレラマン」
「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」

◇作曲賞
「ブロークバック・マウンテン」 ●音楽もすばらしかったよ!サントラ必聴!!■受賞
「ナイロビの蜂」
「SAYURI」
「ミュンヘン」
「プライドと偏見」

◇オリジナル歌曲賞
“In the Deep”(「クラッシュ」) ●他の作品知らないので
“It's Hard Out Here for a Pimp”(「Hustle & Flow」) ■受賞
“Travelin' Thru”(「Transamerica」)

◇音響賞
「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」
「キング・コング」 ■受賞
「SAYURI」
「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」
「宇宙戦争」 ●1つぐらいあげるか

◇音響編集賞
「キング・コング」 ■受賞
「SAYURI」
「宇宙戦争」 ●2つぐらいあげるか

◇視覚効果賞
「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」
「キング・コング」 ■受賞
「宇宙戦争」 ●何気に3つ目!?

◇長編ドキュメンタリー映画賞
「Darwin's Nightmare」
「Enron: The Smartest Guys in the Room」
「皇帝ペンギン」 ●これも見たのこれしかないので■受賞
「Murderball」
「Street Fight」

◇短編ドキュメンタリー映画賞
「The Death of Kevin Carter: Casualty of the Bang Bang Club」
「God Sleeps in Rwanda」
「The Mushroom Club」 ●解らん・・・
「A Note of Triumph: The Golden Age of Norman Corwin」 ■受賞

◇長編アニメ映画賞
「ハウルの動く城」
「ティム・バートンのコープスブライド」
「ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!」 ●ハウルにとって欲しいが、これだろうね。■受賞

◇短編アニメ映画賞
「Badgered」
「The Moon and The Son: An Imagined Conversation」 ■受賞
「The Mysterious Geographic Explorations of Jasper Morello」 ●解らん・・・
「9」
「One Man Band」

◇短編実写映画賞
「Ausreisser (The Runaway)」
「Cashback」 ●もうなんでもいいかぁ
「The Last Farm」
「Our Time is Up」
「Six Shooter」 ■受賞

知らない作品あるので超アバウトだけど、超個人的な思い入れで「ブロークバック・マウンテン」に8部門完全制覇をして欲しいなぁ~。
まあ、実際は「作品」「監督」「脚色」「作曲賞」の4部門ってところだろうけどね。


nice!(4)  コメント(64)  トラックバック(15) 
共通テーマ:映画

ブロークバック・マウンテン、今年必見中の必見作です! [映画いろいろ]

■ブロークバック・マウンテン

監督:アン・リー
出演:ヒース・レジャー 、ジェイク・ギレンホール 、ミシェル・ウィリアムズ 、アン・ハサウェイ

昨日、初日に見て行って既に24時間以上たってる訳なんだけど、未だに私の心の中で「切なさ」と言う名の感情が蠢いているようです。ここ数年見た映画の中でも、ここまで心の奥底に響いた映画はないかもしれない。

明日発表されるアカデミー賞で最多8部門ノミネートされるなど、公開前から話題となっていた今作。話題は何と言ってもアメリカ男児の象徴であるカウボーイ同士の同性愛と言う、ショッキングなテーマにあることは間違いないでしょう。劇中でも激しいセックスシーンもありますし。

そんなことよりも何よりも心を打つのは、この映画で描かれているのは「人間が生きること」そのものであり、そこで生まれる「喜怒哀楽」、人間の本質的な感情の全てが出ているからだと思います。

ちょっと前置きが長くなったので、ここで簡単にストーリーの説明を。。。

古きよき時代の1963年ワイオミング州。羊の放牧管理で雇われた20歳の青年イニスとジャックは、美しい自然が広がるブロークバック・マウンテンでひと夏を2人だけで過ごすこととなる。過酷なキャンプ生活の中、お互いを助け合いながら暮らし友情を育むうちに、その友情がいつしか男同士の許されない感情へと昇華していく。

ひと夏のキャンプも終わり離れ離れとなった2人は、それぞれ家庭を持ち妻と子供と一見幸せそうな生活を送ってるかのように見えたのだが、4年後のある日、ジャックからの手紙がもとで再会し、その後16年にも渡る隠された愛を育み続けることとなるのだが、保守的な時代、現実は2人に厳しく立ちはだかり。。。

映画の前半は美しい自然の映像に魅せられ、主人公2人の愛情とも友情ともつかない関係を優しい感情で見ていられるんだが、後半の展開からはもう切なくて切なくてポロポロ涙が落ちてしまった。

注:以下ネタバレ

20年の歳月を経て40歳となった2人が湖にたたずみ、イニスが自らの心に内を爆発させ泣き崩れるシーン。もうさ、このシーンのイニスの心を心を思うと切なくて仕方なかった。
多分、イニスはジャックに出会わなければ、同性愛に目覚めることとはなかったと思う。
ジャックは元来の同性愛者だとは思うが、イニスの場合は、たまたま、愛してしまった相手(ジャック)が男性だったんだと思う。
だから、このシーンでのイニスの心の叫びは、自分でもどうすることも出来ないことへの苛立ちや悲しみ、切なさ、などなど。彼の心を思うと、見ている方も切なくて心が引き裂かれる思になる。

さらに、多分、同性愛者であることが元で殺されたであろうジャックの実家を訪ね、彼の部屋で発見した血に染まった2枚のシャツ。
キャンプ生活の最後の日に、2人が初めて殴り合い互いのシャツを血で染めてしまい、イニスはそのシャツを「無くした」と前半のシーンで言っていたが、実はジャックが盗んで持っていたのだ。

盗むと言うと表現は良くないが、ジャックは本気でイニスを愛していて、もしかするとこの別れが最後に別れになると思い、イニスの思い出としてこのシャツを盗んだんでしょう。
そのシャツを20年もの間自室に仕舞い込み、イニスのシャツをジャックのシャツが優しく抱くように包まれ、それを発見し抱きしめるイニスにまた、涙、涙、涙・・・。

さらに、さらに、ラストシーンでも落ちぶれたイニスの薄汚いトレーラーハウスで、娘の帰宅後にクローゼットをあけ、今度はイニスがジャックのシャツを包み変えられ、その横にはブロークバック・マウンテンの絵葉書が・・・。もう、このシーンでは鼻水もずるずるで、スゴイ状態になってり、エンドロールで流れてくる曲「he was a friend of mine」の歌詞でさらに号泣でした。。。

別にお涙頂戴の映画では無いんだけど、とにかく切ないんです、この映画。

また、話題は主人公の同性愛にばかりスポットが当たっていますが、それ以外にも2人の妻や両親との家族関係にもしっかり焦点が当たっていて、イニスが同性愛者だと言うことを目撃してしまった妻の切ないことったら、ないんですよ、これが。どうします、自分の愛した旦那が、見知らぬ男と激しくキスをしているのを目撃してしまったとしたら。。。

書きたいことはもっとあるんだけど、私のレビューなんかと見るよりは、兎にも角にも、映画本編を見て欲しいです。描かれていることは同性愛が中心ではありますが、ここで描かれている様々な人間の感情、とくに「切なさ」に心を打ち抜かれるでしょう。

オススメ度:★★★★★(これ以上の価値あり)

原作はこちら

ブロークバック・マウンテン

ブロークバック・マウンテン

  • 作者: E・アニー・プルー
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/02/17
  • メディア: 文庫


nice!(0)  コメント(7)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

ダミアンと69(シックスナイン) 無念!666666ならず666669!! [映画いろいろ]

かなり、どーでもいい記事で何か恐縮さえ感じるのだが、666666HITの激写に失敗した!

「666」と言えば、映画「オーメン」で6月6日6時に生まれた悪魔の申し子ダミアンが、悪魔の象徴として頭に「666」の文字が刻まれていたことから、不吉な数字としてすっかり有名になり、映画自体も大ヒットを記録。続編が4本も作られましたが、面白いのは「1」だけで、それ以降はカスである。

オーメン 特別編

オーメン 特別編

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/02/10
  • メディア: DVD

未見の方はレンタルで観てみて。「オーメン」はかなり面白いよ!
ガラスで首が吹っ飛ぶシーンのビックリ度は、マジでスゴイっす!!!

にしても、666666の最後の数字が6を逆さにした9って所が、語呂合わせ的にはnice!って感じ。
つーか、「666(ダミアン)」と「69(シックスナイン)」ってことかぁ。。。

「悪」と「エロス」=「悪意・悪口ネタ」と「エロネタ」

う~ん、何とも私のブログらしいオチである。

こんな下らない記事を最後まで読んでくれた方、ホントありがとうございます。。。


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

ホテルルワンダ、スタンドアップ、プライドと偏見。ルワンダは必見!! [映画いろいろ]

正月第2弾が次々に公開されておりますが、今回は特に「ホテルルワンダ」がオススメです。

■ホテルルワンダ
監督:テリー・ジョージ
出演:ドン・チードル 、ソフィー・オコネドー 、ホアキン・フェニックス 、ニック・ノルティ

昨年のアカデミー賞で、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞にノミネートされ、かなり話題となったにもかかわらず、何故か日本では公開未定状態となり、「ホテルルワンダ 日本公開を応援する会」を中心にネット上で話題となり、今年ようやく公開されることになった作品。

→「ホテルルワンダ 日本公開を応援する会」→http://rwanda.hp.infoseek.co.jp/index.html

この映画は、1994年にアフリカのルワンダで起こった、民族抗争により100万人(だったかな?売る覚え・・・)が大虐殺された事実と、そのルワンダに実在した高級ホテルのホテルマンが、自らの命をも顧みず約1200人の命を救ったアフリカ版「シンドラーのリスト」とも言われている実話です。

世界中で行われている戦争、かなりの割合で「民族間での争い」が中心になってるそうです。
日本は有史以来、基本的には単一民族(まあ、実際には大陸の民族もかなり入っているでしょうが)で成り立っている国ですので、「民族抗争」と言っても全くピンとこないのが事実だと思います。

しかしながら、この映画の舞台であるアフリカや中東、南米などでは、1つの国の中で同じ国の人間が、「民族の違い」で日夜抗争を繰り返しているんです。

わずか10年程前にこのような大虐殺があったのかと思うと、何とも言い様のない思いがあるのと同時に、ここまでの惨劇になる前に何とかならなかったのかと、なんだか心が重くてなりません。

昔の映画ではありますが、「キリング・フィールド」と言う、素晴らしい傑作映画があるのです。
こちらはカンボジア内戦の話なのですが、世界大戦のように国と国が争う戦争以上に同じ国の国民同士が殺しあう内戦には、国同士の戦争以上に、言葉では言い表せない辛さがありますね。

この映画、現在は東京の単館上映ではありますが、今後、全国公開されてより多くの方に見てもらえるといいなっと思います。

オススメ度:★★★★☆

キリング・フィールド スペシャル・エディション

キリング・フィールド スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/25
  • メディア: DVD


●この映画、未見の方は是非観てください。ホント、ルワンダ以上に必見です

■スタンドアップ
監督:ニキ・カーロ
出演:シャーリーズ・セロン、フランシス・マクドーマンド、ショーン・ビーン

「モンスター」のシリアルキラー役でアカデミー賞を受賞したシャーリーズ・セロンが、セクハラ訴訟に立ち上がる女性を熱演、2度目のアカデミー賞が囁かれている実話を基にしたお話。

まず言いたいのが、あのTVCMは何なんだ!?
所謂、「1人の女性の自立物語」みたいな、陳腐なつくりは。

まあ、確かに「セクハラに立ち上がる女性の物語」では、ちょっと硬すぎて正月第2弾、しかも全国ロードショーではキツイのは分かるが、だからと言って、あそこまで映画のコンセプトとは無関係な宣伝はいかがなものか?配給会社の宣伝戦略にかなりの疑問は残る・・・

で、結論から言うと、年明け早々、中々素晴らしい映画を見たなぁって感じ。

話的には、今から10数年前の北ミネソタの田舎町。「ちなみに、原題はNorth Country」この町は炭鉱町として栄え、そこで働くのは男達ばかりだが、少数の女性が男性に混じって働いていた。しかし、その職場では想像を絶するようなセクハラやパワハラが横行しているのだった。
そんな状況に絶えかねた主人公(セロン)が、会社を相手取って1人で裁判に乗り出す。
孤立無援の彼女に、まわりの仲間は立ち上がる(スタンドアップ)のだろうか・・・

この映画で改めて男性優位社会における、女性の自立や地位向上がいかに難しいものなのかがうかがい知れる。

別に私はフェミニストではないが、やはり、男性社会の歪み構造はいかがなものかと思いましたね。
ラストシーンには、泣かずには入られませんでした。

オススメ度:★★★☆☆

■プライドと偏見

監督:ジョー・ライト
出演:キーラ・ナイトレイ 、マシュー・マクファディン 、ドナルド・サザーランド 、ブレンダ・ブレシン

話的には、イギリスの田舎町に住むベネット家は、娘5人と両親の7人暮らしで、決して裕福ではないながらも幸せに暮らしていた。そんな家族の悩みは、女性には財産の継承権がないので、もし、娘が未婚のまま父親が死去してしまうと、全ての財産が没収されてしまい無一文になってしまうこと。そんなある日、大金持ちの公爵とその友人が現れるだが、ベネット家のエリザベスとその友人を中心に問題が発生し・・・

原作は、世界的に有名なジェーン・オースティンの「高慢と偏見」。
オースティン作品には映画化作品も多く、「いつか晴れた日に」(かなりの秀作!)、「エマ」などがあるのだが、作品的には多分、これが一番有名だと思う。
「ブリジット・ジョーンズの日記」は、そもそも、この作品をモチーフにされてるんですよ。

肝心の映画の方は、原作の世界観を壊すことなく、そつなく良くまとまっていると思います。
特に18世紀イギリスの優雅な田舎町の風景やお城やその内装は、こよなく素晴らしかった。

ただ、個人的には、主演のキーラ・ナイトレイがどうしても最後まで受け入れられなかった・・・
オースティン物「いつか晴れた日に」に出演した、ケイト・ウィンスレットなら完璧だったと思うがね。

オススメ度:★★★☆☆

いつか晴れた日に

いつか晴れた日に

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2005/09/28
  • メディア: DVD


●これもホントにいい映画なので、是非見てみてください。


nice!(1)  コメント(5)  トラックバック(5) 
共通テーマ:映画

2005年ベスト10映画発表! [映画いろいろ]

一言コメントを追加しました♪

年も明けたので、昨年公開された邦画&洋画のベスト10を独断と偏見で選びました。

■邦画編■

1位:運命じゃない人
監督・脚本:内田けんじ
出演:中村靖日、霧島れいか、山中聡、山下規介、板谷由夏

運命じゃない人

運命じゃない人

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売 日: 2006/01/27
  • メディア: DVD

監督はほぼ新人、キャストもイマイチ無名。
しかしかがら、練りに練られた秀逸な脚本がホントに素晴らしいく、ここ近年の邦画の中でも最高
の脚本なのではないかと思う。
「パルプ・フィクション」が好きな方なら絶対に気に入ると思います。
未見の方はDVDで絶対に見て下さい。必見!!!

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-08-12

2位:埋もれ木
監督:小栗康平
出演:夏蓮、登坂紘光、浅野忠信、坂田明、大久保鷹、岸部一徳

「泥の河」で鮮烈なデビューを飾った小栗監督の最新作。
「運命じゃない人」とは対照的に、脚本的な作りこみは皆無で、ストーリーを楽しむと言うより、
「感覚で楽しむ映画」だと思います。
ラストシーンの美しさは絶品!!

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-08-12
過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-06-26

3位:いつか読書する日
監督:緒方明
出演:田中裕子 、岸部一徳 、仁科亜季子 、渡辺美佐子 、上田耕一

いつか読書する日

いつか読書する日

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2006/02/24
  • メディア: DVD

中年男女の20年に渡る「純愛」を描く、大人の為の恋愛映画。
主演の田中裕子&岸部一徳コンビがとにかく素晴らしい!!

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-08-12

4位:ゲルマニウムの夜
監督:大森立嗣
出演:新井浩文 、広田レオナ 、早良めぐみ 、木村啓太 、大森南朋

私の大好きな作家、花村萬月先生の芥川賞受賞作の映画化。
作品全体の完成度としては決して高くないが、監督やキャストの「本気度」に拍手って感じ。
とにかく、今年一番パワフルで勢いのある作品。

5位:空中庭園
監督・脚本:豊田利晃
原作:角田光代
出演:小泉今日子、鈴木杏、板尾創路、広田雅裕 、國村隼

とにかく、小泉今日子の普通に見えるが、実はキレてる主婦が絶品!
監督が覚醒剤で逮捕されたのが残念でならない・・・
個人的には原作の方が全然好きですけどね。

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-10-10

6位:ALWAYS 三丁目の夕日
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆 、堤真一 、小雪 、堀北真希 、三浦友和

泣ける。それも1回や2回ではない。もう、ボロボロ泣ける。
作品自体は超ベタな人情モノなので、個人的には決して好きな部類ではないが、やはり劇中で展開される「ザ・昭和」な懐かしさには、心動かれずにはいられない。
「超~泣きてぇぇぇぇぇぇ!!」って方、必見です。

7位:隣人13号
監督:井上靖雄
原作:井上三太
出演:中村獅童、小栗旬、新井浩文、吉村由美、石井智也

隣人13号

隣人13号

  • 出版社/メーカー: アミュ ーズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: DVD

明日の映画界を担う若手達の意気込みが感じられて、非常に好感もてる作品。
原作は漫画なんだけど、個人的には映画版の方がずっと好き。
またしても全裸で熱演した小栗君が、役者として一皮むけたんじゃないかなぁ。

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/archive/c35119

8位:パッチギ!
監督:井筒和幸
出演:塩谷瞬、高岡蒼佑、小出恵介、沢尻エリカ

パッチギ ! スタンダード・エディション

パッチギ ! スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2005/07/29
  • メディア: DVD

人間としてはかなり嫌いな部類に入る井筒監督ではあるが、この作品では「流石、ベテラン」って
感じで人情味溢れる作品に仕上げてる。

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-01-22

9位:カナリア
監督:塩田明彦
出演:石田法嗣 、谷村美月 、西島秀俊 、りょう 、つぐみ

カナリア

カナリア

  • 出版社/メーカー: バンダ イビジュアル
  • 発売日: 2005/10/28
  • メディア: DVD

監督は「黄泉がえり」で大ブレークしたんだけど、私的には「黄泉~」は全然買ってなくて、デビ
ュー作「月光の囁き」(畢生の傑作!!)「どこまでもゆこう」等の、小品を買ってます。
この作品もオウム真理教を題材に、「宗教とその子供達」と言う、非常に重いテーマに真向勝負し
てますが、残念ながらテーマがテーマだけに、ちょっと焦点が絞れ切れてないのが残念ではある。

10位:亡国のイージス
監督:阪本順治
原作:福井晴敏
出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、勝地涼、原田芳雄、岸部一徳

亡国のイージス

亡国のイージス

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/12/22
  • メディア: DVD

決して悪い作品では無いんだけど、やはり原作があまりにも膨大だったので、消化不足感は否めな
い感じではあったね。特に「アクション大作」として仕上げているので、やはり限界もあり・・・
やっぱし、阪本監督には「どついたるねん」「顔」等の小規模ながらも味のある、本物の作品を作
って欲しいものですね。

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-08-12

■洋画編■

1位:エレニの旅
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:アレクサンドラ・アイディニ、ニコス・プルサディニス、ヴァシリス・コロヴォス

エレニの旅

エレニの旅

  • 出版社/メーカー: 紀伊 國屋書店
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: DVD

劇場で見てから数ヶ月経つけど、未だに象徴的なシーンの数々がふっと目に浮かぶ。
「旅芸人の記録」「霧の中の風景」「ユリシーズの瞳」などなど、アンゲロプロス監督の作品は、どれもこれもが印象深い傑作しかないのだが、近年の作品の中でも特にこの作品は素晴らしい。
いつもながらの長回しの撮影による水没する町の風景などは、映画史上に残る名シーンじゃないかなぁ。アンゲロプロス作品をまだ見たこと無い方は、是非観ていただきたいですね。
ただ、所謂「ハリウッド映画好き」の方は要注意。開始15分で寝る事間違いない!!

2位:スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
監督・脚本:ジョージ・ルーカス
出演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、イアン・マクデ

ィアミッド

スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐

スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ ジャパン
  • 発売日: 2005/11/23
  • メディア: DVD

これは、もう今更説明は不要ですね。
とにかく、未見の方は絶対に観てください!
これを見ずして、2005年は終われませんよ~。

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-07-10

3位:ヴェラ・ドレイク
監督:マイク・リー
出演:イメルダ・スタウントン、フィル・デイヴィス、ピーター・ワイト、エイドリアン・スカー

ボロー

ホントに地味中の地味な作品ではあるけど、映画としての本質を余すところなく掬い取ってることは間違いないでしょうね。
人情味溢れる主人公のおばさんが「意外な結末」を迎えるシーンは、今でも私の心の奥底で静かな鐘を鳴らしつづけています・・・

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-08-12

4位:ミリオンダラー・ベイビー
監督・音楽:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン

ミリオンダラー・ベイビー

ミリオンダラー・ベイビー

  • 出版社/ メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2005/10/28
  • メディア: DVD

これも今年を代表する1本なので、説明は不要でしょうね。
この作品を見て安楽死に興味を持った方は、是非、8位の「海を飛ぶ夢」を観てください。
同じテーマながら、そのアプローチは全然違いますし、その多様性こそが「映画の面白さ」なのではないかと、私は感じました。

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-05-29

5位:バタフライ・エフェクト
監督:エリック・ブレス 、J・マッキー・グルーバー
出演:アシュトン・カッチャー 、エイミー・スマート 、ウィリアム・リー・スコット 、エルデン

・ヘンソン

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/10/21
  • メディア: DVD

「えー、こんなオチってありかよ~~~!」って、思わず叫びたくなる、本当に心切ない話。
最初はB級サスペンス映画かと思っていたのですが、この映画は決してそうではありません。
「愛」について描いた、心切ないラブストーリーなのです・・・

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-05-24

6位:バッド・エデュケーション
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル 、フェレ・マルティネス 、ハヴィエル・カマラ 、ルイス・オ

マール

バッド・エデュケーション

バッド・エデュケーション

  • 出版社/ メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: DVD

「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」(傑作!!)のアルモドバル監督が、スキャンダラスな自身のことを描く私映画(?)
作品形態はサスペンス調なんだけど、そこはアルモドバル監督。美しき主人公達によるドロドロの恋愛劇あり、歪んだ幼児愛あり、寂しい悲劇ありと、もう、ホントにスゴイです!

7位:復讐者に憐れみを
監督:パク・チャヌク
出演:ソン・ガンホ、シン・ハギュン、ぺ・ドゥナ、イム・ジウン、イ・デヨン

復讐者に憐れみを デラックス版

復讐者に憐れみを デラックス版

  • 出 版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/07/22
  • メディア: DVD

昨年も数多くの韓国映画が公開されましたが、私的にはダントツにこの作品が好きでした。
「オールド・ボーイ」の前作と言うことで、作品としての「荒さ」が目立つのは事実ですが、逆にその「荒さ」が作品全体に深みを与えてると思います。
「私の頭の中の消しゴム」なんかの、10倍は面白い映画です。
ただし、カップルでは見ないでね。超「痛い」「怖い」映画なので・・・

過去の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-02-13

8位:海を飛ぶ夢
監督・脚本:アレハンドロ・アメナーバル
出演:ハビエル・バルデム 、ベレン・ルエダ 、ロラ・ドゥエニャス 、クララ・セグラ 、マベル・リベラ

海を飛ぶ夢

海を飛ぶ夢

  • 出版社/メーカー: ポニ ーキャニオン
  • 発売日: 2005/10/05
  • メディア: DVD


4位の「ミリオンダラー・ベイビー」でも扱われた「安楽死」について、この作品では真向から描いてる所がまずスゴイ。特に主演のハビエル・バルデムによる全身麻痺患者役は、「これってホントに演技なの???」って思うほど完璧です。

9位:ある子供
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、リュック・ダルデンヌ
出演:ジェレミー・レニエ 、デボラ・フランソワ 、ジェレミー・スガール 、ファブリツィオ・ロンジョーネ

昨年のカンヌ映画祭で2度目のパルム・ドール大賞に輝いた、「ロゼッタ」「息子のまなざし」による無軌道な少年少女のお話。
ストーリー自体は非常にシンプルだが、いつもながら心が痛く、そして寒くなる、なんとも後味の悪い作品ではあります。

10位:亀も空を飛ぶ
監督:バフマン・ゴバディ
出演:ソラン・エブラヒム、ヒラシュ・ラーマン、アワズ・ラティフ、サダムホセイン・ファイサル

戦況下で生きる少年少女たちのお話。9位の「ある子供」と同じように少年少女たちの話なんだけど、こちらの方は貧しい、厳しい状況下で必死に生きる姿がなんとも・・・

こうやって改めて振り返って見ると、改めて「よく観てるなぁ」っと自分で感心してしまう。
もう、こんな生活を10年以上続けてるので、きっとこれからも死ぬまで続くんだろうなぁ・・・

数多くの映画の中から、「何を観ようか迷っちゃう」って方は、是非参考にして下さい。
年間100本以上を10年以上続けてる訳ですから、まあ、それなりに目は肥えてると思います。

とは言え、私見ですので「観たけどつまんなかった!」っと言われても、責任は取りませんヨ♪


nice!(4)  コメント(13)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

「ハウルの動く城」発売記念、宮崎作品一挙レビュー!! [映画いろいろ]

昨日、「ハウルの動く城」が発売されましたので、これに合わせて本作と旧作をざっくりと振り返って見たいと思います~。

オススメ度:★★★★★「もののけ姫」

もののけ姫

もののけ姫

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2001/11/21
  • メディア: DVD

ストーリー性、メッセージ性、作画、音楽などなど、どこをとっても最高の完成度に仕上がってる作品だと思います。宮崎監督自身が「この作品で引退する」と公言したのは有名な話だが、確かにこの作品には宮崎監督の全てが詰まってる、まさに渾身の一作だったのでしょうね。

特に私が好きなのが、この作品が持つメッセージ性で、「自然と人間と動物の共存」「日本における神の存在と神話」「人間社会の文明の発達」、そして「生と死」、などなど。。。

こうやって文章で書くと非常に小難しいく、とても一般受けするとは思えないメッセージの数々なのだが、アニメーションと言う表現を用いることによって視覚的に分かりやすく、さらに、神秘的な歌声が魅力的だった米良さんの歌う主題歌や音楽と相まって、すんなりと入っていった。

この作品に対しては、結構否定的な見解が多く、それらの多くは「意味が分からない」「話がごちゃごちゃしてる」と言ったものだったが、私個人が思うには、宮崎監督はこれらのメッセージを押し付けるのではなく、視聴者自身が感覚的に感じたり、何か感じ取ったことを自身で考えて欲しかったんじゃないかと思いますね。

みなさんはどう思いますか?

オススメ度:★★★★★「天空の城ラピタ」

天空の城ラピュタ

天空の城ラピュタ

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2002/10/04
  • メディア: DVD

この作品も好きですねぇ。
多分、一番多く見てるのがこの作品だと思います。

アニメーションの持つエンタテイメント(娯楽)性としては、究極的な仕上がりだと思います。
多分この映画が宮崎監督のもつ力量を全て発揮した、ある意味で最初の作品なんじゃないかなぁ

特筆すべきは、やっぱり空中都市ラピュタの造形というか、表現でしょうね。
ラピュタは人間にとっては憧れであり、まさに伝説都市の名に相応しい夢の世界ですね。
あの世界観を表現するそのイマジネーション、もうこれは宮崎監督しか出来ないでしょうね。
この映画を見ると改めて、「やっぱ、宮崎監督って天才なんだなぁ」って感じます。

オススメ度:★★★★☆「千と千尋の神隠し」

千と千尋の神隠し (通常版)

千と千尋の神隠し (通常版)

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2002/07/19
  • メディア: DVD

言わずと知れた、まさに国民的映画。

初見の際には、ただの「単純娯楽作」として楽しんだのですが、2回、3回と見ていくと、千尋の成長物語でもあり、日本の風土と神々の関係性であもり、「もののけ姫」をより娯楽色強く、軽快に表現した作品なんじゃないかなぁっと感じた。

湯屋に出てくる、全国の様々な神々の表現は「巧いなぁ~」の一言につきるもんね。
特にカオナシの表現とキャラクター設定なんかは、天才宮崎にしか成し得ない技でしょうね。

オススメ度:★★★★☆「風の谷のナウシカ」

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2003/11/19
  • メディア: DVD

宮崎監督の原点であり、彼のもつアイデンティティーが一番示された作品。

多分、現在の宮崎監督であれば、このような作品を作ることは簡単だと思いますが、まだ、現在ほど評価されていなかった20年近く前にこの映画を作らせて製作者(徳間書店)はホントに偉いと思う

今見ると、内容的には普遍的と言うか、現在にも通じる「自然と人間」「生と死」「文明社会への批判」などを盛り込んでいるので、非常に興味深いのだけれども、はやり20年近く前の作品なので、ア
ニメーションとしての表現に年代を感じてしまうのは否めない。

ちなみに、映画版のナウシカは、漫画版の途中までの話しになってます。
漫画版はちょっと悲しい結末になっておりますので、興味あるかたは是非読んでください。

ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」

ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」

  • 作者: 宮崎 駿
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2003/10/31
  • メディア: 大型本


オススメ度:★★★★☆「ルパン三世 カリオストロの城」

ルパン三世 - カリオストロの城

ルパン三世 - カリオストロの城

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2001/04/26
  • メディア: DVD

これもね、ホント面白いよなぁ~。

TVシリーズには無い、宮崎アニメらしいエッセンスや趣を十分に発揮してて、「これぞ、エンタテイメント!!」って感じで、まったく飽きさせることがないんだよね。

私が好きなシーンは、ちょっとマニアックかもしんないのだが、ルパンがクラリスを助けにお城に忍び込むんだけど、そこでお城の急斜面の屋根を走りながら飛び渡るシーンがね、「これぞ、アニメならではの表現力!!」と、思わず手を叩いてしまったことあるなぁ。
ああゆうシーンは、実写でもCGでもダメで、アニメならではの豊かな表現力で成し得る技だね。

ラストのクラリスと銭形の有名な会話シーンは、何回観ても絶品だしね!

オススメ度:★★★★☆「魔女の宅急便」

魔女の宅急便

魔女の宅急便

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2001/06/08
  • メディア: DVD

この作品っていつも不思議なんだけど、「ここがスゴイ!!」「ここが傑作!!」って言う所が微妙に当てはまらないんだけど、多分、「天空の城ラピタ」の次に多く観てると思う。

メッセージとしては、ひとことで言うと「少女の成長物語」ってことなんだけど、単純にそれだけには終わらないし、かといって何か心にズシリと残るメッセージがある訳でもないしなぁ。

ただいつもこの作品を観終わると、「ほのぼの」「爽やか」「軽やか」みたいな感情になるんだよね。ラストで荒井由実(ユーミン)の名曲「やさしさに包まれたなら」が流れてながら、キキが空を飛ぶシーンとか観ると、ホント「心が優しい気持ち」になるからね。

そう考えると、ある意味では宮崎作品の一番の傑作なのかもしんないね。

オススメ度:★★★★☆「となりのトトロ」

となりのトトロ

となりのトトロ

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2001/09/28
  • メディア: DVD

「お母さんが子供に見せたい映画」ナンバー1でしょうね、この作品は。
もう、ホント単純に童心に帰れると言うか、心温まるファンタジーと言うか、ね。

話はちょっとズレルけど、ジブリ美術館にあるネコバス、もうちょっと大きく出来なかったのかなぁ
3~4年前に姪や甥を連れて行ったんだけど、姪甥は勿論、私もネコバス見たさに行ったようなもんなのにさ、ホント小さいのよ、こじんまりしちゃってると言うか。。。

まあね、小学生以下の小さい子にはちょうど良いサイズなんだけど、私からすると「映画の大きさと違いすぎ!!!」、この一言に尽きましたね。

オススメ度:★★★☆☆「ハウルの動く城」

ハウルの動く城

ハウルの動く城

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2005/11/16
  • メディア: DVD

宮崎アニメの最新作なんだけど、昨年の公開時はどちらかと言うと批判的な意見が多かった訳だが、私自身は決して嫌いな作品ではないんだけどね。劇場でも2回も観たしさ。

まあ、確かに話が難解というか、色々な要素を詰め込みすぎた感は否めず、しかも、それらを処理し
きれなかったことは事実なんじゃないかな。

「もののけ姫」にしても、様々な要素を詰め込んでいて、最終的には監督自信が回答を提示せずに、「正解は観たあなた自身で考えてください」と言うような結論に導いていないんだけど、この作品に関しては、ちょっち「投げっぱなし」感は否めないんだよね。

とは言え、アニメならでの表現力、イマジネーション力としては、過去の宮崎作品でも最高レベルには達してると思うけどね。

オススメ度:★★★☆☆「紅の豚」

紅の豚

紅の豚

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2002/03/29
  • メディア: DVD

ある意味で、宮崎作品の異色作になるんじゃないでしょうか。

宮崎作品は基本的には万人向けであり、大人も子供も楽しめるって言うのが売りな訳だが、この作品に関してはもう完全に「大人向け限定」って創りになってる。

「飛べねぇ豚は、ただの豚だ」
この一言に宮崎監督の考える「大人の男」=「ダンディズム」が現れてると思いますね。

まあ、決して詰まんなくはないんだけど、他の宮崎作品がどれもこれも傑作ばかりなので、個人的な評価としては、一番低くなってしまいますね。。。

「ハウルの動く城」は新作と言うこともあり、現在22%OFF&送料無料なので、まだ観てない方はこ
の機会に買ってみてはいかがでしょうか?

ちなみに、私は当然のことながら、全作品を持っております!!


nice!(7)  コメント(15)  トラックバック(3) 
共通テーマ:映画

機動戦士ZガンダムⅡ、私の頭の中の消しゴム、コープスブライド [映画いろいろ]

ここ最近「春の雪」以外に見た映画をダイジェストに紹介。

「機動戦士Zガンダム II -恋人たち-」

総監督・原作・脚本:富野由悠季
声の出演:飛田展男 、池田秀一 、古谷徹 、鈴置洋孝 、ゆかな

「機動戦士Zガンダム II -星を継ぐ者-」から約半年、もう待ちに待っての公開と言うこともあり、前回は新宿の劇場で3時間待ちだったので、立川のシネコンまで行ってきました。
※前回の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-06-04

前作は三部作のダイジェスト版としての趣だったので、主要人物の紹介に徹したという感じだったので、今回の第二部から話が展開していくのかと、かなり楽しみにしていたのですが…

う~ん、なんか今回も「ダイジェスト」感は否めなかったなぁ~。
つーかね、編集が荒すぎ!

とにかくね、私は一応TVシリーズは見てるわけだが、それでも話のスピードが余りに速すぎるのと、省略がもの凄く多いので、かなり意味がわかんない。

しかも、今作はサブタイトルに「恋人たち」とあるように、カミーユとフォウや他登場人物たちの「LOVE STORY」を主軸になってはいるんだけど、全然「LOVE感」が感じられない。

だってさ、フォウもあっけなく死んじゃうし、それを悲しむカミーユのカットも挿入されてないし、「ホントに愛し合ってた訳?カミーユさん?」って感じ。

そもそも、この新シリーズは何で上映時間が1時間30分前後なのかなぁ?
ファースト・ガンダムの劇場版は2時間以上なのに。
本作もあと30分あったら印象違うと思うんだけどなぁ。

ともあれ、残すは最終章だけなので、3月(凄い先だ~)の公開に大期待をして待ちます!!

第1部を未見の方は、まずはDVD予習しましょう!

機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-

機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2005/10/28
  • メディア: DVD


オススメ度:★★★☆☆

「私の頭の中の消しゴム」

監督:イ・ジェハン
出演:チョン・ウソン 、ソン・イェジン 、ペク・チョンハク

これはね、カップルで見る以外は許されない映画かも。
30過ぎの独身男が1人で見ちゃいけないね、これは絶対に!!

もうさ、全編を通じて美男美女がLOVEを展開しまくりって感じで、私なんかは途中から「もう、ええわ」って気になっちゃいました。独身男のヒガミですなぁ。。。

全体的には恋愛映画の永遠の定番である「ある愛の詩」を彷彿させる展開で、不治の病(若年性のアルツハイマー病)に侵される女と彼女を愛する男の永遠の愛、みたいな。

重ねて申しますが、単身者は観ない方がいいでしょう。
逆に今が一番アツアツなカップルにはもってこいのデートムービーでしょうね。

オススメ度:★★☆☆☆

最後にもう1本。

「コープスブライド」

監督:ティム・バートン 、マイク・ジョンソン
声の出演:ジョニー・デップ 、ヘレナ・ボナム=カーター 、エミリー・ワトソン

「チャーリーとチョコレート工場」が予想以上のヒットを飛ばしているティム・バートン監督が送るストップ・モーションアニメ。
「チャーリーと~」の記事はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/girigiri/2005-09-11

「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」がカルト的な人気を誇っているけど、この作品はティム監督作品ではありません。彼は製作や原案を行っただけなんですよ、知ってましたか?

まあ、そんな話はさて置き、この作品もとてもコマ撮り撮影とは思えない程の見事な撮影とティム監督らしいビジュアルセンスも遺憾なく発揮されており、素晴らしい作品に仕上がってます。

ミュージカル的なエッセンスもふんだんに盛り込まれているので、子供だけじゃなく大人でも十分に楽しめると思います。

ただね、ストーリー自体がホントに単純だし、途中で最後のオチも解っちゃうので、私的には家でDVDでもいいかなぁ~って気がしました。

個人的には、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の方が断然に好きですね。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス コレクターズ・エディション

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2005/11/23
  • メディア: DVD

オススメ度:★★★☆☆


nice!(1)  コメント(9)  トラックバック(3) 
共通テーマ:映画

「春の雪」妻夫木くん&竹内結子の頑張りは解るのだが・・・ [映画いろいろ]

ご無沙汰です~。ここんところ仕事が超忙しくて更新できませんでした。
「はぁ~、何か会社辞めたいなぁ・・・」、などとぼやきつつも、久々に更新します。

今日は待ちに待った「春の雪」です。

「春の雪」

監督:行定勲
原作:三島由紀夫
撮影:リー・ビンピン
出演:妻夫木聡 、竹内結子 、高岡蒼佑 、大楠道代、岸田今日子、及川光博 、若尾文子

三島由紀夫原作である「豊饒の海-春の雪」の映画化ニュースを聞いた時は、「え、超楽しみ!」と言う思いと、「今の時代には無理なのでは?」の両極端な思いが巡ったのだが、結果的には「まあ、微妙・・・」って感じでした。

やはりね、最大の問題は主人公・松枝清顕役の妻夫木くんと伯爵令嬢・綾倉聡子役の竹内結子のキャスティングだね。

私は妻夫木くんのファンなので「ウォーターボーイズ」「ジョセと虎と魚たち」「69」など、ほぼ全ての出演作を見ているけど、彼は現代に生きる若者を表現させるとホントに上手いんだけど、やはり今作の松枝清顕にはちょっと力不足は否めなかった・・・。

原作にある松枝清顕は、伯爵家の子息であり、傲慢でプライドが高く、残酷でありながらも青年の純粋さをも残し、そして何よりも気品に満ちた絶世の美男子。。。

そうなんです、何とも複雑な人物なんですよ、主人公の松枝清顕は!!

劇中の妻夫木くんもかなり頑張ってはいたのは事実で、今まで演じてきたような「今時の単純な若者像」とはまるで正反対の複雑な人物清顕を、ある時は静かに、そしてある時は激しく堂々とこれまでにない制御された演技をしていた。

これね、多分、原作を読んでない人であれば、今までとは違う妻夫木くんの演技に魅了されたと思うけど、やはり原作を読んでるとどうしても「違う、清顕じゃない・・・」と思ってしまう。

これは清顕だけの問題でなく、ヒロイン聡子も全く同じで、竹内結子も相当イイ線はいってたと思うけど、表面的な「清楚さ」や「可憐さ」、清顕を愛する「ひたむきさ」は伝わってくるものの、内面的な、本質的な意味での「伯爵令嬢・綾倉聡子」ではなかった。。。

ちょっと余談ですが、今月号のキネマ旬報で当作品に尼さん役で出演した若尾文子さんのインタビューがあり、もし、数十年前にこの作品が映画化されていたら、松枝清顕役に市川雷蔵、綾倉聡子役に若尾文子と言うのも見てみたかったですね、と言う記事があったが、私も全く同感!
雷蔵の清顕って言うのはもう完璧にはまりそう。監督は川島雄三か市川昆だな。
そう考えると、改めて当時の映画界はホントに才能の宝庫だったんだなぁ・・・っと。

とは言え、本当はもっとヒドイ映画になってるのではと思っていたので、その想像からすると妻夫木
くんも竹内さんも今までに無い表現を魅せていたし、脇を固める役者(大楠道代や岸田今日子等)が非常に良かった。

そして、この映画の最大の見所はやはり撮影でしょうね。
撮影監督の李屏賓(リー・ビンピン)は私が大好きな撮影監督の1人で、侯孝賢監督の名作「恋恋風塵」「戯夢人生」とはじめ、王家衛監督の「花様年華」など、彼が織り成す華麗な映像の数々は観客を魅了し続けるんだけど、近作でも大正時代の貴族社会の優雅さや儚さをゆったりとした移動撮影で余すところ無く表現してましたね。

私的には、この映像美を見るだけでも、この映画を見る価値があると思いました。
逆に言うと、リー・ビンピンの撮影でなかったら、この映画は大大失敗してたかも。
そう言っても過言ではない程、ホントに撮影が美しいです。必見!!

最後にストーリーとしては、、、
幼馴染である侯爵家の子息・松枝清顕と伯爵家の令嬢・綾倉聡子。幼少期の聡子に既に親に決められた許婚があったのだが、聡子はいつの頃からか清顕に想いを寄せるようになっていた。
そんな聡子の思いに気づいている清顕であったが、不器用で傲慢な清顕はその愛を上手く受け入れることが出来ず、やがて聡子は宮家との縁談が決まってしまう。
聡子の縁談が決まり焦った清顕は、生まれて初めて自分の感情を聡子に表現し、2人は禁断の恋に落ち逢瀬を重ねるのだが、ある事件をきっかけに2人の運命は悲劇へと急落していく・・・。

三島先生の「豊饒の海」シリーズは、輪廻転生をテーマにした全四部作からなる壮大な物語です。私は「春の海」と第二部「奔馬」しか読んでないのですが、「春の海」以降も主人公の友人本田が、各時代の輪廻転生を狂言回しとして語っていきます。四部作のラスト「天人五衰」が三島の遺作でもあり、そういた意味でも「春の雪」は三島作品の中でも重要な作品といえると思います。

ススメ度:★★★☆☆

ちなみに、原作は

春の雪

春の雪

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1977/07
  • メディア: 文庫

ススメ度:★★★★★


nice!(5)  コメント(30)  トラックバック(242) 
共通テーマ:映画

「空中庭園」「蝉しぐれ」「スクラップ・ヘブン」日本映画色々メッタ斬り~ [映画いろいろ]

「空中庭園」

監督・脚本:豊田利晃
原作:角田光代
出演:小泉今日子、鈴木杏、板尾創路、広田雅裕 、國村隼

当初は、小泉今日子の4年ぶりの映画主演作として話題だったが、8月に豊田利晃監督が覚醒剤取締法違反で逮捕されてしまい、そのことの方が話題となってしまったいわくつきの作品。

私は角田光代さんの原作を以前に読んでいて、非常に好きな作品だったので、豊田監督での映画化ということでスゴク楽しみにしてたのに、覚醒剤問題なんかを起こされてかなり残念・・・

作品概要は、何事も包み隠さず秘密も持たないことをモットーとする京橋家。しかし、娘のマナは学
校をさぼり男とラブホで寝まくり、弟のコウも不登校気味。さらに、父親の貴史は浮気をしまくり、母親の絵里子は、闘病中の母さと子との関係に悩んでいた。秘密を持たない京橋家の秘密は今にも爆発寸前であった。。。

肝心の作品の方は、豊田監督らしいカメラアングルや編集が多様されていて、さらに彼の持つ「エグさ」も遺憾なく発揮されていて、今年公開の映画の中では5本の指には入るかなぁ。

そう考えると、ますます今回の事件は残念でならない。
こういう事件を起こすと作品自体も曇りメガネで見られ、正当な評価がなされないし、公開劇場も小規模化されて多くの観客に見てもらえる機会も減る訳だし。。。
まあ、色々な問題はあると思いますが、作品自体は中々の出来だし、特に小泉今日子の「キレル」シーンは必見中の必見です!!!

オススメ度:★★★☆☆

ちなにみ原作は、オススメ度:★★★★☆

空中庭園

空中庭園

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/07/08
  • メディア: 文庫

「蝉しぐれ」

監督:黒土三男
原作:藤沢周平
出演:市川染五郎 、木村佳乃 、ふかわりょう 、今田耕司 、原田美枝子

作品はNHKで連ドラ化されたのですっかり有名になった 藤沢周平作さんの同名小説の映画化。

私は原作のファンなのでかなり昔に読んではいるのだが、う~ん、四季折々の美しい自然の風景とか、作品全体から醸される「上質さ」みたいなのは解るんだけど、なんかね、全編を通して観て見ると感動しないし、心に残るものがないんだよねぇ~。

全体的に「お上品」にまとまってはいるんだけどさ、その「お上品」さがそのまま「作り物感」になっていて、自然な印象が感じられない。藤沢原作&山田洋二監督の「たそがれ清衛兵」なんかと比べると(比べるのは酷か・・・)その差は歴然としてると思う。

やはり、「山田洋二vs黒土三男(ホント、この監督誰?って感じ)」「真田広之vs市川染五郎」「宮沢りえvs木村佳乃」、この3点を比較しただけでもその差は感じてもらえると思い。
同じ藤沢作品でありながらも、その素材を料理する監督&俳優の能力差がそのまんま作品にあわられてしまった感はあるなぁ。

まあ、とは言え、「全然駄目!!」ってことはなく、上記でも書いたとおり「上質さ」は十分に感じられるので一般的な鑑賞には十分堪えられる仕上がりにはなってます。
特に四季折々の自然を見てるだけでも、「嗚呼、日本人に生まれてきて良かったなぁ」っと改めて感じることは確実に出来ますし、それだけでも一応の観賞価値はありますね。

オススメ度:★★★☆☆

ちなにみ原作は、こちらもオススメ度:★★★★☆

オススメ度

蝉しぐれ

蝉しぐれ

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 1991/07
  • メディア: 文庫

「スクラップ・ヘブン」

監督・脚本:李相日
出演:加瀬亮 、オダギリジョー 、栗山千明 、光石研 、森下能幸

はぁ~、ホントつまんなかった・・・
最初から期待はしてなかったけど、ここまでつまらないとはねぇ。

「69 sixty nine」で若者の青春群像を描いた李相日監督が、加瀬亮&オダギリジョー&栗山千明を迎えて、再び若者たちの苛立ち不安・不満を爆発させる姿を描く青春映画。

なんかさ、そもそもテーマがありふれてはいるんだけどさ、ストーリーもベタで、退屈な日々にうんざりしていた警官のシンゴが、ある日バスジャックに遭い、そこに偶然居合わせた変な若者テツと2人で腐敗した社会を浄化するために復讐代行屋をする、みたいな。

私は主演の2人のファンなので見に行ったんだけど、オダギリジョーの過剰すぎる芝居がホントに鼻に付いたし、作品全体の演出が過剰すぎてテンションだけって感じ。

李相日監督って、才能はあるとは思うんだけど、ちょっとモチーフ(テンション高い若者の群像劇)が毎回同じなので、次回以降は別のテーマで撮って欲しい。
これ以上同じような作品では先はないんじゃないのかなぁ・・・

オススメ度:★☆☆☆☆


nice!(1)  コメント(10)  トラックバック(5) 
共通テーマ:映画

四月の雪 SHINOBI ファンタスティック・フォー 注目はクリス・エヴァンス! [映画いろいろ]

四月の雪
監督・脚本:ホ・ジノ
出演:ペ・ヨンジュン、ソン・イェジン、イム・サンヒョ、リュ・スンス

ひと言で言うと「ヨン様のプロモとしてはまあまあの出来なんじゃない?」って感じ。

不倫愛がベースにストーリーの為、愛に苦悩するヨン様の翳りある表情、明らかにファンサービス向けに設定された唐突なラブシーンなど、まあ、過不足なくファンの方は喜ぶのかと。

ただね、作品としてはかなり微妙な仕上がりだったね。
私は韓流ブームの前から、普通の映画マニアとして監督映画は見ていたので、この監督の作品「春の日は過ぎゆく」「八月のクリスマス」をオンタイムで見てるんだけど、この監督って基本的なアプローチが一緒なんだよね。

派手な演技や過剰な演出で魅せるのではなく、微妙な雰囲気や感情やそれを比喩する風景だったり、なんていうのかなぁ、作品の全体的な「雰囲気」で魅せるというか。。。

このアプローチって私個人はキライじゃないんだけど、正直な感想として決して成功とは言えないと
思うんだよね。この作品でも不倫を扱っているので、主人公の男女の心の葛藤や揺れを激しい台詞や行動で表現するのではなく、繊細(と監督は思ってるはず)な表現で体言させようとそてるのは分るんだけど、結局の所、これが「薄っぺら感」や「意味不明」的なレベルにしかなってない。

「八月のクリスマス」なんかもね、雰囲気は凄く良いんだけど、見終わったと何故か何も残らない。
映画としての印象が薄~いんだよね。

まあ、そんな監督とヨン様の組み合わせは、決して悪くないんじゃなかとは思いました。
見終わっても「何も残らない」のは事実だけど、「いい雰囲気の映画だね」とは感じれるから。

オススメ度:★★☆☆☆

監督:下山天
原作:山田風太郎
出演:仲間由紀恵、オダギリジョー、黒谷友香、椎名桔平、沢尻エリカ

「仲間由紀恵がキレイだなぁ~♪」
まあ、そんな印象が全てと言っても過言でないレベルの作品ですな。

仲間由紀恵の目力とちょっと過剰演技なオダギリジョーは、ホントに美男美女で惚れ惚れした。
この二人に美しさだけでも、見ごたえはあった。

ただね、肝心の映画の方は別にどーでもいい感じだった。
なんかね、忍同士の戦いのシーンが完全に「グリーンデスティニー」や「HERO」のパクリと言うか、
二番煎じ(つーか、五番煎じレベルか)になっていて、目新しさが全くない。

原作は「魔界転生」でもお馴染みの山田風太郎先生の「甲賀忍法帖」で、この原作は痛快なエンタテイメントとしてホントに面白いんだけど、今回の映画版では基本設定は原作を踏襲し、それ以外は全くの別物としてみるしかないね。

あと、ホントにどーでもいい話だけど、椎名桔平が浮きまくり過ぎ!
なんかさ、僕は昔は彼のファンだったんだけど、最近の彼はちょっと色物化してる。
今回も白髪長髪のあの扮装、あれはないんじゃないかなぁ~。ヤバイぞ、キッペイ!!!

オススメ度:★★☆☆☆(仲間由紀恵の美しさに対して)

ファンタスティック・フォー
監督:ティム・ストーリー
出演:ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、マイケル・チクリス

アメコミの映画と言えば、 「バットマン」を始め、「X-MEN」「スパイダーマン」「ヘルボーイ」などなど、数を上げればキリが無いのだが、なんか、今までのアメコミ系とはちょっと毛色が違うところが面白かったかも。

「ファンタスティック・フォー」の設定が、普通の人間が間違って宇宙風(だったけ?)を浴びてしまい、その放射能かなんかの影響で特殊な能力を持つことになる訳。

なので、ある人間は自分自身の特殊な能力に戸惑い、ある者は喜び、ある者は悩み苦しみなど、キャラクターの個性がかなりはっきりしており、しかもヒーローでありながら、妙に人間味があったりして、「スパイダーマン」「スーパーマン」等と違ったヒーローの像が新鮮だった。

特に面白かったのが、火をあやつるキャラ。有名人になることを切望し、出かがり屋でお茶目さん。
私はこのキャラにすっかりはまった。

つーかね、この役のクリス・エヴァンスが超カッコいい!


↑この写真はイマイチなのですが。。。

なんか、久々に「こいつはブレイクする」って感じた俳優ですね。
他の作品は「スカーレット・ヨハンソンの 百点満点大作戦」(←何これ?つまんなそう)と「セルラー」しかないんだけど、この作品ですっかりファンになった。
ポスト・ブラピになれる逸材として、これから注目して行こうっと。

オススメ度:★★★☆☆(新鮮なキャラ設定とクリス・エヴァンスに)


nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画
前の10件 | - 映画いろいろ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。