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「またの日の知華」 う~ん、色んな意味で残念 [映画いろいろ]

「またの日の知華」
監督:原一男
出演:桃井かおり、吉本多香美、渡辺真起子、故・金久美子)、夏八木勲、田辺誠一

とにかく、「残念」の一言に尽きる。

「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」など、日本映画史上に残る(特に「ゆきゆき」は)ドキュメンタリーの傑作を作ってきた原監督が、初めて一般劇場作品に挑むということで、もう数年前から楽しみにしてたのね、この作品には。。。

この作品の最大の欠点は、1人の女性主人公を4人の異なる女優で構成したこと。

とは言え、この試みは原監督自身の初めから決めていたことで、「1人の女性を異なる男性の視点から見た場合を表現するに当って、女優も4人必要だった」と語っているので、その意気込みは分かるし、試みとしては悪くないんだろうけど。

作中での女優の役年齢(推定)と本人実年齢。
※1話目の知華が出産後、4話目の知華時には子供が小3~4だった。

(出番順で)
1番:吉本→26歳くらい/33歳=実年齢差7
2番:渡邉→29歳くらい/36歳=実年齢差7
3番:金 →32歳くらい/46歳=実年齢差14
4番:桃井→35歳くらい/52歳=実年齢差17

↑上記を見るだけでも、設定的な無理が伺える。

1から2へのシフトはそれなりにありだった。
監督の意図するところの男性の視点から見た様々な知華(女性)であれば、見方が変われば女も変わるだろうなぁ、と。

が、2から3は本当に違和感でいっぱいで、知華の十数年後なのかと思ったら、わずか3年後ぐらいの設定だった。

女優による力量の差があるので、それはそれとしての違和感があるのだが、やはりこの女優4人による1人の主人公というのが最大の難点であることは疑いの余地はない。

あと、そもそもの話自体に然程の魅力がなく、4話構成のストーリーの落差も激しい。

私個人としては、若き日の知華を渡辺真起子が演じ、その20年後を桃井かおりが演じる2部構成ぐらいにして、その分その時代ごとの知華をより深く掘り下げて欲しかった。

特に4話目の桃井版は、話が短すぎていつもの桃井芝居レベルであったが、とはいえ彼女と夏八木の芝居には、さすがなものがりこの2人だけで別の映画を1本見たいなぁと思わせるほどだった。

原監督には、またドキュメンタリーも撮ってほしいけど、再チャレンジでもう1本、ちゃんとした資金も得て一般映画を撮って欲しい。

余談だが、「美しい夏キリシマ「父と暮らせば」でお馴染みの黒木和雄監督が観に来てた。黒木監督はどう感じたのだろうか?

オススメ度:★★☆☆☆






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コメント 2

ELEY

コメントありがとうございます。
原監督は初めっから4人の女優を使うことに決めてたんですね。
チャレンジングではありますが、それが伝わってこなかったのは
残念です。
またしっかりしたドキュメンタリーを撮って欲しいです。
by ELEY (2005-05-16 00:10) 

ピカチュウ

またしっかりしたドキュメンタリーを撮って欲しいです。
↑まさに同感。
「ゆきゆきて神軍」を超える傑作をね!
by ピカチュウ (2005-05-16 00:17) 

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