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「もっと、生きたい」「シャトウルージュ」新旧を代表する駄本をメッタ斬り [小説いろいろ]

最近、仕事が忙しくで難しい本の読むのが辛かったので、普段は絶対に読まないような、所謂「駄本」を冷やかし半分で読んだので、ストレス発散がてらメッタ斬りちゃいます。

まずは、これ。ネット小説家(?)Yoshi先生の「もっと、生きたい・・・」。

「もっと、生きたい…」

「もっと、生きたい…」

  • 作者: Yoshi
  • 出版社/メーカー: スターツ出版
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本

Yoshi先生の本は、大ベストセラーとなった「Deep Love」を読んで小説としての存在自体が「ありえね~」レベルだったので、もう2度と読まないを誓ったのですが、友達に「もっと、生きたい、歴史に残る駄作だから、違った意味で読んだ方がいいかも」と言われ、読んでみることにしたのですが・・・

Yoshi先生のオフィシャルサイトより。

「あまりの過激さゆえ書籍化は不可能とされYoshi自らが封印。
 しかし、4年の時を超え…  読者からの強い要望がYoshiの封印を解き放った!!」

だとさ。

「あまりの過激さゆえYoshi自らが封印」ってさ、一生封印してろっつーの!
「読者からの強い要望がYoshiの封印を解き放った!!」ってさ、解き放つなつーの!!

もうね、バッサリと斬り捨てます。
100歩、いや1000000歩譲っても、これは小説とは言えない。
つーか、小説と認めてはイケナイ。

まず、内容以前の問題として、そもそも、小説としての最低限の体をもっていない。
ネット発なので文章が横書き、読者の対象が若者前提なのでひらがなばっかし、文章自体の表現が有り得ないほどに稚拙で、「全国小学生作文コンクール」の作文よりも低いレベル。

こんなものを、よくもまあ、「小説」として出版できるものだなぁ、っとある意味で関心すら覚える。
さらに、内容がまた、ホントにくだらない。

ある日突然、携帯電話に謎のメールが送られてくる。そして、そのメールを見た人物の肉体の一部(目、耳、足とかと)が忽然と消えてしまうと言う、不可解な事件が起こる。
何故、肉体が消えてしまうのか?消えた肉体はどうなったのか??
そして、メールを送ってった犯人は一体誰なのか???

まあ、こう書くと「ちょっと、面白そうなホラーミステリーじゃない?」と思った方、それは私の表現に騙されただけで、大きな勘違いなのです。

書評の掟として、あえて「オチ」は書きませんが、この「オチ」がホントにヒドイ。
つーか、唖然とさせられる!
「はぁ、なんじゃそれ、ありえねーだろー、そんなの!!」って感じ。
それこそ、質の悪いホラー漫画でも有り得ない「オチ」です。

アマゾンの中古で超安売りしてますので、私と同様にどれほどヒドイのかを確かめるのもありかと思いますよ、21世紀を代表する「駄本」の1冊であることは間違いないので。

オススメ度:★★★★★(21世紀を代表する「駄本」を体験すると言う意味で)

もう1冊は、「元祖・駄本作家」、渡辺淳一先生の「シャトウルージュ」。

シャトウルージュ

シャトウルージュ

  • 作者: 渡辺 淳一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 文庫

「ドレサージュ(調教)によって女は変貌する」by帯びのコピーより

なんとも、下品な表現である。
つーか、ヒドイ女性蔑視である。

内容は、エリート医師とお嬢様育ちの美しい妻。2人の愛情はすっかり冷め、1年以上セックスをしていない。そんな冷め切った2人の関係に再び火を点すべく、夫はフランスのある組織に妻をドレサージュ(性の調教)を依頼するのである。フランスにある秘密のシャトウ(城)で繰り広げられる、様々な性的ドレサージュによって、妻は見る見るうちに変貌を遂げていく。帰国した妻とのセックスに、今までにない満足を得る夫であったが、妻の心は夫の元を離れ、ある行動にでるのであった。。。

エリート医師が妻へ性的ドレサージュを行う。
なんじゃ、それ!? しょーもない、三文エロ小説と何ら変らない低俗な設定に辟易である。
映画にドラマに大ヒットを飛ばした「失楽園」もしょーもない内容だったけど、この作品もそれに勝るとも劣らずのレベルである。

最近の淳一先生は、「現代人の愛の不毛」を好んで書くようで、現在も日経新聞に違った意味で大好評連載集の「愛の流刑地」、通称「愛ルケ」でも「シャトウルージュ」同様に、中年オヤジの既に勃つことも、射精することもないであろう、股間を刺激し続けているのである。

日経新聞・11月3日の「愛ルケ」より、

「1日、なにもすることもなく、ひたすら日が過ぎるだけを待つ。そんな男にとって、自慰ほど気持ちが安らぐ行為はない」
「(注:主人公は罪で拘留中)自慰こそ、身柄を拘束された男の、唯一の反抗の手段でもある」

上記を読んで頂いてお分かりのように、内容以上にヒドイのが小説としての表現である。
「そんな男にとって、自慰ほど気持ちが安らぐ行為はない」
「自慰こそ、唯一の反抗の手段でもある」

・・・・・・・。

「シャトウルージュ」&「愛の流刑地」、これが本当に直木賞作家の書く書物なのだろうか?
こんな人が現在の直木賞の選考委員をしてるとは、何ともお粗末な話である。

オススメ度:★★★★★(日本を代表する大家の「駄本」を体験すると言う意味で)

Yoshi&渡辺淳一。新旧を代表する大作家の「駄本」、「ホントにダメなのか?」と疑問を持った方は、是非、この機会にお試しあれ!

「もっと、生きたい…」

「もっと、生きたい…」

  • 作者: Yoshi
  • 出版社/メーカー: スターツ出版
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本

シャトウルージュ

シャトウルージュ

  • 作者: 渡辺 淳一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 文庫


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コメント 19

arukakat

こら面白そうですねぇ~
でもそんなのに時間を使うのも・・・・
う~ん・・・

エロ主題のやつって、あんま好きじゃないんですよね
「エロくしときました!(深読みして評価お願いします!)」
という感じが、まぁなんともイヤになります。

この2冊(2人?)は、
「活字は読まないけど、ケイタイでなら読めるしー」な人や
「官能小説読みたいけど恥ずかしい、でもエロが読みたい」という人を
うまくキャッチした作品(作家)かなーと思ってます。

ノータッチで行きます・・(でも駄作っぷりを堪能したい欲求も・・)。
by arukakat (2005-11-10 23:31) 

sicca

ピカチュウさんの表現に騙された!
おかげどんなもんなのかと読みたくなりました。
そんな人が増えて、逆にベストセラーになったりして。(BOOK OFFの・・)
by sicca (2005-11-11 00:03) 

chewing_gum

ものっそい「もっと、生きたい…」を読みたくなりました。
流石ピカチュウさん!
Yoshi先生よりも、おピカ先生の書いた小説を読みたいですw
ていうかなんでYoshiの作品て小説に分類されるんだろう?
前から不思議でした。
by chewing_gum (2005-11-11 00:10) 

aiaiai

あたし『猟奇的な彼女』もダメだったんですよね~、立ち読み数秒で。
なので多分Yoshi氏も数秒でダメだろーな。はは。
愛ルケになってからとゆーもの、前の席でオヤジが日経開いてるの見るのも
なんかやです。。サンスポのその欄読んでる奴と同じくくり。苦笑
もーひと思いにエロ小説界に入っちゃえばいーのに。。純文のフリしてないで。
なーんて軽く言っちゃうのはしろーとのあさはかさなんでしょーが。
by aiaiai (2005-11-11 10:40) 

はなママ

うぎやっっ!!!    エロエロ!!!!!
渡辺センセーったら、いくとこまでイッちゃったって感じですな!!
一時期、渡辺センセーの本にハマッて、 読みふけってた時期があるのに
タイトルすら思い出せない。。そんだけ中身が無かった!って事かなあ~。
(単なる物忘れ??それとも年のせい・・・    焦!!)
自慰。。一人エッチ。。。気持ちいいコトは二人でしよ~よ!!

yoshi氏。。あんまり・・っちゅうか、この記事で知りまひた。
おベンキョ不足です。
。。に、しても・・ドレサージュねえ~(やっぱりエロに食い付く!!)
脂ギッシュで、疲れ切ったオヤジの願望そのものじゃん。
by はなママ (2005-11-11 12:40) 

ピカチュウ

> arukakatさん
でもそんなのに時間を使うのも・・・・
↑「もっと、~」なんか、1時間で読めちゃう。
とは言え、1時間も使うのも確かにもったいないかもね(笑)
「官能小説読みたいけど恥ずかしい、でもエロが読みたい」という人を
↑これ、私も全く同感なんですよ。
しかも、連載が日経新聞だしさ、エロジジィたちのカモフラージュには最適!

>siccaさん
ふふふ、騙されたと思って読んでみてよ~♪
ホントに騙されるから(苦笑)

> gumさん
「もっと~」のね、真犯人ってのがホントにスゴイの。
だって、○○○○○なんだから!!!
私も大好きな松本清張先生の如く、41歳で華麗なる作家デビュー目指しますので、乞うご期待!

>aiaiaiさん
サンスポのその欄読んでる奴と同じくくり。苦笑
↑爆! そうなんだよね、連載誌が「日経」か「サンスポ」の違いだけ。
日経だから、「現代の愛の不毛を描く純文学小説」なだけであって、サンスポなら「中年オヤジの勃たない股間を刺激するエロ小説」な訳。

>はなママさん
淳一先生も昔は、まあ、そこそこまともな小説書いてたけどね。
「遠き落日」「花埋み」とかね。←別に面白くは無いけど、まともな作品だった。
ドレサージュ。ドレサージュ。ドレサージュ。ドレサージュ。ドレサージュ。
なんか、しゃべった時の感覚が結構好きかも。
「今夜、お前をドレサージュ」みたいな。(笑)
by ピカチュウ (2005-11-11 14:17) 

aiaiai

↑この殺し文句(?)はイケてる!爆笑
by aiaiai (2005-11-11 14:29) 

maeashi・恵

(+o+)そんなにひどいのなら読んでみたいかも。。。笑
図書館にあるかしらん?
で、数頁で怒りバクハツ?\(◎o◎)/!
by maeashi・恵 (2005-11-11 14:43) 

新作まだかな

淳一、笑えるっ…。 
読売新聞で連載していた、精神科の女医の話(タイトル失念)もおかしかったぞ。謎めいた美人女医ヒミコは、患者におかしな治療をしたり、女性患者と
寝たり、実は先生自身もファザコン…。彼女を慕うスタッフのナントカ君の
目線で語られているんだけど、今どきそんな男は、いないよ〜 的な存在
(苦笑)。人物の書き方が、古すぎるね。内容もペラペラ。
ドレサージュ! 確かにイイ響き♡
そもそも調教って、自分がヤル
から面白いと思うんですけど????
by 新作まだかな (2005-11-11 15:07) 

ピカチュウ

>aiaiai さん
私もちょっと気に入ってます~(笑)
ドレサージュ、流行らそうかなぁ~♪

>maeashi・恵さん
淳一先生はあるでしょうね、なんたって「直木賞作家」だから。
Yoshi先生はねぇ、一般的には「小説」として流通してるけど、中身は「小学生作文コンクール」だし、かなり微妙かもね~。

>新作まだかな さん
患者におかしな治療をしたり、女性患者と寝たり、実は先生自身もファザコン
↑調べてみたら「幻覚」って本でした。
この本も内容くだらなそうですね~。
つーか、また逆に気になって読みたくなってきた・・・
はっ、もしかするとこれの逆説的な興味も想定してこんな駄作を作ってるとか?
そもそも調教って、自分がヤルから面白いと思うんですけど????
↑これ、超鋭いかもしんない!
言はれて見れば確かにそうですなぁ~
by ピカチュウ (2005-11-11 18:32) 

arukakat

>しかも、連載が日経新聞だしさ、
あ、確かに・・・。
とりあえずエロスなら杉本彩(わりと好き)、不倫なら石田純一(どうでもいい)あたりがフォローしてくれるんで、書く人は案外テキトーにやってるかもしれませんね。「エロくしときゃ話題になるだろー」なんて・・。

>「自慰こそ、唯一の反抗の手段でもある」
「アナタ(作家さん)、ペンを握ってる(キー叩いてる)場合ですか!」
って言ってあげたいところ・・。

Yoshiさんは、はじめはX-JAPANの人と思ったりしてました。
とりあえず「マンガしか本は読まない」世代にはウケよさそうです。
なにせ私のまわりの人でYoshiファンといえば、そんな人ばっかりです。
by arukakat (2005-11-12 00:31) 

うめの

おぉ、メッタ斬ってますね。爽快です。 なんだかんだ言いながら、 『愛ルケ』読者の私は、今後、流刑地は「あの世」か「網走」か? を焦点に、結果待ちしながら読んでいくつもりです。
渡辺さんは、『花埋み』で、引導を渡させてもらいました。登場人物に全く愛を感じなかったからです。 『愛ルケ』でも、冬香に対しての愛を少しも感じられません。自分で生んだくせに。 「ナベジュンは、ゲイかもしれない」と、密かに思っています。
by うめの (2005-11-12 02:38) 

淳一の反対のせいで、「ベルカ、吠えないのか」が
直木賞取れなかったらしいですが。
老害?
ピカチュウさんは、偉いですね。
僕は最初から興味ないものには手をつけませんので。
Yoshi先生は一時期、時の人の扱いでしたがw
本屋で2ページくらい見て、それからは
手にも取らなくなりましたw
by (2005-11-12 15:52) 

くまくまちゃん

くまは、やめときます・・・。見つけても借りないようにしよー。
by くまくまちゃん (2005-11-12 16:37) 

ピカチュウ

>arukakaさん
とりあえずエロスなら杉本彩(わりと好き)、不倫なら石田純一(どうでもいい)あたりがフォローしてくれるんで、
↑ですね~(苦笑)
でもさ、ホントに直木賞作家がこんな作品を書いてていいのだろうか???
Yoshiさんは、はじめはX-JAPANの人と思ったりしてました。
↑私も一番最初はそう思ったよ~。
なんか、宗教系?にはまったって話なので、それ系かとね。
にしても、ホントにどこいったんだろうか?ⅩのYOSHIは???

>うめのさん
「愛ルケ」、ホントに今後の展開が違った意味で楽しみかも。
特に最近の破天荒な展開は目を覆うばかりだしね~
「ナベジュンは、ゲイかもしれない」と、密かに思っています。
↑ゲロゲロ~、想像すれるだけでキモイ!(苦笑)

>Mrノリックさん
淳一のせいで、直木賞を逃した作家は数知れずですからね。
横山秀夫先生も決別宣言してるしね。
淳一と林真理子が審査委員をしてる時点で、今の直木賞ってありえない!
偉いと言うか、「どこまでヒドイのか?」と言う、単純に好奇心ですね。
「怖いものみたさ」「汚いものみたさ」的な発想です。。。

>くまくまちゃん
まあ、その方がいいでしょうね(苦笑)
ホント、時間と金の無駄ではあるので・・・
by ピカチュウ (2005-11-12 20:55) 

tappei

ピカチュウさん
淳一ってどこまでエロスを混ぜれば気が済むのだろうか?と思っております。
by tappei (2005-11-14 20:56) 

ピカチュウ

淳一の場合、「エロス」と言うよりも、「下ネタ」って感じなんだよね。
まあ、もう歳も歳だし、好きにすればってレベルではあるね。
by ピカチュウ (2005-11-15 20:22) 

俺

いやーまたまた笑わせていただきました。

こうやってピカチュウ先生のように斬ってくれる方がいないと、下手したら本当にこういうのが認められるようになってしまいそうで、そうなったら世も末ですよね。
by (2005-11-21 00:38) 

ピカチュウ

まあね、ある意味では両名ともに「ベストセラー作家」「大先生」として、認められてる訳ですからねぇ。世も末だ。。。
他にもダメな作家がうじゃうじゃうるから、もっともっと斬っていきたいっす!
by ピカチュウ (2005-11-21 12:53) 

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